全体にスピードが速くなるわけではない。品質は向上する
続いて、アジャイル開発を採用した国内での先駆者の声を紹介した。
アジャイルがうまくいくポイントを先駆者に聞くと、開発チームとユーザーの密なコミュニケーションや、プロジェクト・メンバー全員が進め方について共通認識を持つこと、機能ではなくゴールを共有すること、などが挙がったという。
アジャイル開発に対する評価を聞くと、全体にスピードが速くなるわけではないこと、アジャイルだから品質が悪くなるわけではなく、開発対象を小規模にしてユーザーと密に確認しながら進めることで、かえって品質は高まること、などが挙がったという。
講演の最後に片山氏は、ガートナーからの提言を紹介した。アジャイル開発を成功させるために、以下の3つを実践すべきとした。
(1)ゴールを共有しつつ、時間とリソースを固定させて、開発対象(機能)をできる範囲にとどめる。(2)アジャイル開発のメリットは、「単に速い」ことではなく、「変化への対応」にあることをプロジェクト・メンバーで全員で共有する。(3)アジャイル開発の取り組みの成否を短期で判断せず、「長期課題」として取り組む。