AWSを積極的に採用してインフラの運用費用を削減
モバイルアプリのフロントエンドの開発には、Apache Cordovaを内包したHTML5ベースの開発ツールであるMonacaを採用。サーバサイドの開発プラットフォームはAppPotを使っており、AWS(Amazon Web Services)のIaaSクラウド上で動かしている。MDM(モバイル端末管理)ソフトはVMware AirWatchを使っている。
友岡氏は、IaaSクラウドとしてAWSを推進している。「フジテックに入社した時に、発注間近だったデータセンターの契約書を見せられた。見た瞬間に駄目だと判断して却下した」(友岡氏)。すぐに、インフラ基盤の責任者にAWSのアカウント作らせ、2〜3日使ってもらった。こうしてクラウドサービスの優勢を啓蒙したとしている。
現在はAWS上に190台のインスタンス(仮想サーバ)が立ち上がっている。ファイルサーバやウェブアプリケーションのほか、ERP(統合基幹業務システム)としてワークスアプリケーションズの「COMPANY」もAWS上で動かしている。
AWSを採用した結果、当初予定していたデータセンターの契約内容(サーバ88台を使用)と比較して初期投資額を95%削減できたという。年間の運用費用は42%の削減になった。さらに、サーバを15分で用意できるなどサービスインまでに要する時間を99.97%削減した。
世間によくある「AWSではなくサーバを自社運用した方が安上がりではないか」との疑問に対しては、「AWSはサーバではなくデータセンターであり、不動産、電源設備、空調設備などのファシリティを含んでいる」と指摘する。
AWSに移行するにつれてコンピュータルームを縮小しているが、悩みの種はデータベース管理システム(DBMS)だという。オンプレミスのOracle Databaseは、第三者保守サービスを手がけるベンダーに保守を移管した。現在、AWS上で利用できるDBMSとしてAmazon Auroraの利用を考えていると友岡氏は話している。