「私なら、社内でバイモーダルITという言葉は使わない。それによってかえって失敗してしまう」とHudson氏は言う。「われわれITリーダーの最終的な目標は、人々の物の見方や考え方を変えることだ。それにはどうしたらよいだろうか?わが社の場合は、最高財務責任者(CFO)を脇に連れ出して、戦略について話をした。私自身も、バイモーダルなアプローチを取るかもしれないし、非常に小さなプロジェクトを進めるかもしれない」(Hudson氏)
Hudson氏は、同氏の会社で進めているプロジェクトの多くは、定義上はバイモーダルITだと述べている。「IT部門はプロジェクトがうまくいくことを証明する必要がある。ときには顧客サービスに関する大規模な実装を行う場合もあるが、その種の大規模なプロジェクトの成否は、多くの場合それに先行する小さな取り組みに依存する」とHudson氏は述べ、同氏の会社でそのようなプロジェクトを進めるには、世界中のオフィスにいる、20~30人の支持を得なければならない場合もあると説明する。
「プロジェクトをスタートさせるには、非常に微妙なアプローチが必要となる」とHudson氏は言う。「われわれは、ほかの部門の人々を巻き込み、ITについてこれまでとは違う考え方をさせようとしている。企業のCIOは、事業部門の人々が、テクノロジによる変化はよいことだと考えるように導く必要がある。バイモーダルITは、ITのよい面を広める助けになり得る」(Hudson氏)
成功の鍵は、バイモーダルITをプラスの成果を生み出すために使うことだという。結局のところ、会社が気にするのは結果だけだ。Hudson氏は、バイモーダルITは現場の従業員がITを活用し、試し、会社が求めるプラスの結果を生み出すのに役立つ可能性があると述べている。
「万能薬は存在しない。あるのは、企業に属するITプロフェッショナルとして満たすべき、より大きなビジネス目標だけだ」と同氏は述べている。「バイモーダルITは道具の1つにすぎない。賢いやり方は、このツールが何を意味しており、どう使えばビジネスの働きを改善できるかを考えることだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。