ソラコムはMVNOのSIMとAWSへの接続というモバイルキャリアとクラウドコンピューティングのミッシングリンクを実現したーー。IoTをセキュアかつ安価に提供することのできるベンダーとして、国内では唯一の位置についたと言っても良いだろう。
そんなソラコムが2017年に入ってバルセロナのMobile World Congress、ドイツのCeBITなどのトレードショーに相次いで出展し、グローバルなプレイヤーとして一躍注目を浴びるポジションに躍り出た。
2016年のAWSのイベント、re:Inventで北米に向けてビジネスを開始することを発表したのに続いて、今回は欧州における存在感を示したと言える。ソラコムの最高経営責任者(CEO)、玉川憲氏にインタビューし、グローバル戦略、LoRaWANに関するサービスなどについて話を聞いた。
ソラコムの最高経営責任者(CEO)、玉川憲氏
ーーバルセロナのMWCそしてハノーバーのCeBITへの出展、お疲れ様でした。今日はソラコムのグローバルな展開について教えて下さい。
基本的にはソラコムのやっていることは何も変わっていないです。ソラコムのユニークな部分であるSIM、キャリアニュートラルであること、それにクラウド、それを安価にセキュアなサービスとして提供するという部分は日本でもグローバルでも変わりません。
おかげさまでパートナーの数も270社まで増えています。社員も増えて現在、40人になりました。日本に30人、海外に10人、内訳は欧州が5人、米国が3人、シンガポールに2人という形です。欧州が多いのは28カ国をサポートしないといけないので。海外のスタッフは現地採用です。日本人を送り込むということは基本したくないので。
ーー現地で採用するということですが、その理由は。
AWSの時に学んだことですが、製品やサービスそのものをもの凄くローカライズしないといけないということは実はほとんどないと思います。ただし、決済の通貨や契約の文面、マーケティングするときのコンテンツ、PRなどのセールスとマーケティングについてはローカライズが必要だと思います。
製品はグローバル、セールスとマーケティングはスーパーローカル、というのがソラコムの考え方です。製品を開発するのは主に日本でやりますが、世界のどこにでも通用するようなグローバルなモノを作る、それを売るための仕事はスーパーローカルでやる、ということですね。
ーー採用に関してはどうやって取り組んでいますか。
それぞれの地域のリーダーの人間は私が直接声をかけてヘッドハンティングしてます。今の欧州のリーダーもMWCで話をしてその後で一緒に食事をしたり、テレカンファレンスで話たりしながら、直接来てくれないかと声をかけたんです。LinkedInで採用することはないですね(笑)。