展望2020年のIT企業

ブランドとセキュリティ対策を強化する新興IT企業の理由

田中克己

2017-05-01 07:00

 「ブランドとセキュリティ対策を強化する」。クラウドをベースにしたシステム事業を展開する多くの新興IT企業が力を注いでいること。ユーザーの信頼を得るためで、2003年設立のアイレットもその1社だ。

 AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)を活用したホスティングサービスcloudpack(クラウドパック)のユーザーが600社超、稼働中のプロジェクトが1200を超えたのは、その結果だろう(2017年3月時点)。そんな同社が、新たな成長領域としてIoT市場の開拓に乗り出した。

AWSトップ・インテグレータを自負するアイレット

 アイレットの代表取締役CEOを務める齋藤将平氏は、AWSのトップ・インテグレーターであり続けることを自負する。その証が、2013年からAWSプレミアコンサルティングパートナーに、2015年からAWSのビジネスに最も貢献したパートナー・オブ・ザ・イヤーを受賞していること。このブランドが同社の営業力、つまりユーザーが同社にインフラ構築からシステム開発までを任せられる理由になるからだろう。ユーザーがユーザーを紹介してくれることにもなる。

 セキュリティ対策も、新興IT企業が信頼を勝ち取るうえで欠かせないこと。そこで、アイレットはISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)への対応や、SOC2レポートを受領するなど、セキュリティ体制を強化している。

 具体的には、ISMSクラウドセキュリティやITサービスマネジメントの国際規格ISO20000の認証を取得したほか、2017年4月にはクラウドパックが米公認会計士協会の定める受託サービスに関する内部統制の保証報告書SOC2(Service Organization Controls 2)Type 2を受領したという。

 加えて、クラウドの利用を容易にするサービス商品も用意する。その1つがクラウドパックである。使った分だけを支払う従量課金のAWSは、クレジットカードによるUSドルになる。ところが、クレジットカードやドルでの支払いを認めてない企業がある。

 そんな企業に、AWSホスティングサービスを円による定額料金で提供するのがクラウドパックだ。2017年2月に発表したデータ分析基盤構築サービスも、その1つになる。データ連携ソフトなどを手がけるインフォテリアと組み、ビックデータ分析のニーズに応えたもの。こうした協業によるサービス商品も品ぞろえしていく考えだ。

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