今週の明言

マイクロソフトはオラクルのデータベースシェアを奪えるか

松岡功

2017-04-28 11:00

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、日本マイクロソフトの佐藤久 業務執行役員と、NECの浅賀博行 パートナーズプラットフォーム事業部長の発言を紹介する。

「データベース拡販の新施策でオラクルのシェアを奪いたい」
(日本マイクロソフト 佐藤久 業務執行役員)


日本マイクロソフトの佐藤久 業務執行役員

 日本マイクロソフトが先頃、パッケージソフトを開発・販売するISV(独立系ソフトベンダー)向けに、対応データベースソフトをオラクルなどの他社製品からマイクロソフト製品に移行するための支援策を開始したと発表した。同社の業務執行役員でクラウド&エンタープライズビジネス本部長を務める佐藤氏の冒頭の発言は、その発表会見で、新施策への意気込みを語ったものである。

 新施策は、パッケージソフトのデータベースソフトとして「Oracle Database」などを適用しているISV向けに、「Microsoft SQL Server / Azure SQL Database」への乗り換えを促進するため、最大300万円に相当する移行作業支援の無償提供と、マーケティング面での協業を行うもの。詳細については、日本マイクロソフトの公式ブログをご覧いただくとして、ここでは同社が新施策を開始した背景に注目したい。

 同社では2016年4月から、ユーザー企業が自ら開発したり、システムインテグレーターがソリューションとして展開する業務アプリケーションに対して、対応データベースソフトの乗り換えを促進する支援策を実施してきた。佐藤氏によると、「非常に大きな反響を得て、現在も80件のプロジェクトが進行している」という。

 さらに同氏は、「最近になって、16社のISVから自社のパッケージソフト向けのデータベースソフトとして当社の製品を適用したいとの相談を受け、今回の新施策を始めることにした」と話す。

 なぜ16社のISVから、そうした相談が寄せられたのか。その背景には、パッケージソフトのクラウド化への移行、さらにはOracle Databaseのライセンス方針変更に対し、ISVが対応を迫られている状況があるようだ。


日本マイクロソフトは段階的な移行を推奨している

 そうしたISVに対し、佐藤氏はマイクロソフト製品が最適な選択である理由として、「パフォーマンスとコストの両面で最適な価値を提供」「脆弱性が最小のデータベース」「オンプレミスとクラウドのハイブリッドな選択が可能」「多くのサービス機能が追加費用なしで使用可能」「エディションごとにコードを分ける必要なし」「今回の支援策でデータベース移行が安心かつ容易に」といった点を挙げた。これらの詳細についても先述した同社の公式ブログを参照いただきたい。

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