「このシステムは、向こう48時間の詳細なスケジュールを教えてくれるだけでなく、複数のシナリオを作成し、仮定を置いたうえで、考えられるすべての事態に対する適切な対応を可能にする」(Gaviria氏)
この新システムは現在、完成に向けて実装中であり、IoTも活用できるようになっている。
運河周辺には数多くのセンサが設置されており、大量のデータを収集していると同氏は述べ、「われわれはこのデータを活用しようとしている。閘室内での待ち時間や給排水時間(閘室水位の上昇/下降にかかる時間)といった情報は簡単に取り込めるはずだ」と述べた。
このような待ち時間を管理する際にもIoTが活用できる。同氏は「閘門によって給排水のペースが異なるため、以前のシステムでは閘門ごとに異なる待ち時間が設定されていた」と指摘した。
「現在では特定のペースで給排水が可能な閘門もあるが、水圧はしばしば変動する場合もあるため、時間とともに給排水のペースが変わってしまう可能性もある。現在、パナマ運河は閘門あたり1日60回程度の給排水を実施しているため、ちょっとした違いが120分ものずれになってくる。IoTの導入により、こういった変化を加味できるようになった」(Gaviria氏)
このような効率向上によって、運河を通航する船舶の数は増えることになった。これは、運河の臨機応変な運用を実現するという全体計画の一部なのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。