海外コメンタリー

パナマ運河の効率的な船舶通航を実現する新システム--IoT活用も - (page 2)

Colin Barker (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-05-02 06:30

 Quintiqは、プラニングやスケジューリング、リソースに関する最初の提案依頼が提示された時から、「おそよ18カ月間」にわたってパナマ運河の仕事を手がけてきている。

 Gaviria氏によると「彼らは、現在のリソース効率を最大限に保ちながら通航効率を維持するといった、あらゆる種類のリソースと制約を加味できる、船舶の通航計画立案方法を模索していた」と述べた。

 「彼らが望んでいたのは、船舶の通航効率をできる限り高めるだけでなく、彼らが使用するリソース(えい航索の取り回し作業員やタグボート、閘門のウインチなど)に対する計画を日々の、そしてより高いレベルで立案するために利用できるアプリケーションだった」(Gaviria氏)

 絶え間なく船舶を通航させることで、運河の利用効率を最大化するといった、途切れのない計画を立案する場合、その処理は極めて複雑になるうえ、天候についても考慮する必要がある。パナマの気候は年中暑いだけでなく、雨期には突然の、そしてしばしば猛烈な嵐が襲ってくる。そして、もう1つの障害が霧だ。

 Gaviria氏は「このシステムは霧もうまく取り扱える」と述べるとともに、「予測できないさまざまな時間帯に大量の霧が発生し得る。このシステムを使えば、いつ霧が発生するかを予測し、その情報をスケジューリングシステムに還元できるようになる」と述べた。

 「霧の発生を予測できれば、大型船舶の通航を延期したうえで、より小型の船舶を先に通航させることも可能になる」(Gaviria氏)

 このシステムは、そういった情報と他の測候所からの情報を組み合わせることも可能だという。また、特定の時間に運河を通航する船舶の種類に応じて、閘門に十分な数の人員を確実に配置するといった、その他の技術的な問題にも対応できるという。

 同氏は「さらに、通航する船舶に応じて適切なタグボートと適切な水先案内人を確実に準備できるようにもなる」とも述べた。

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