IBMは「IBM Watson」を活用した新たなクラウドサービスを発表した。同社はこれにより、動画のメタデータ分析サービスを展開していく。「National Association of Broadcasters Show」で発表されたこのサービスを活用することで、コンテンツプロバイダーやアドバタイザーはターゲットオーディエンスに対する訴求力を高められるようになるはずだ。
このサービスは、Watsonの認知コンピューティング能力を用いてキーワードやコンセプト、視覚的イメージ、トーン、感情的な文脈といったメタデータを抽出する。これには「Tone Analyzer」や「Personality Insights」「Natural Language Understanding」「Visual Recognition」といった、さまざまな「Watson API」を使用する。また、このサービスは動画を論理的にまとまったシーンへと分割することもできる。
例を挙げると、スポーツ関連の放送局が、バスケットボール関連のコンテンツから広告に利用できそうな興味深いシーンを抜き出す際、人手で作業していくのではなく、このサービスを利用することで抽出からひとまとめにするまでの作業を自動的かつ迅速に実施できるようになる。
IBMによると、同社の持つ一連の人工知能(AI)機能は、動画分析という市場においてユニークなものだという。さまざまなデバイスによって、大量のコンテンツがクラウドに集約され、その数がますます増えているという現状を考えた場合、利用可能な洞察すべてを導き出すのは企業にとって至難の業となってきていると同社は主張している。
IBMのこれまでの研究成果を基に、Watsonをメディア業界やエンターテインメント業界で活用できるようにするというこのサービスは、2017年中に利用可能になる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。