Canonicalと「Ubuntu Linux」の生みの親であるMark Shuttleworth氏は、OpenStack Summitで行われたインタビューで、最近Ubuntuや同社に関して見受けられる変化の理由は、Canonicalを上場させるための準備であることを明らかにした。
Shuttleworth氏は2017年4月に、Ubuntu Linuxが「Unity8、スマートフォン、統合シェルへの投資を終了する」ことを発表した。Ubuntuはかなり前からクラウド業界で主流のOSになっており、モノのインターネット(IoT)の分野でも評価を得つつある。その後間もなく、Canonicalの最高経営責任者(CEO)Jane Silber氏が、CEOを退任し、Shuttleworth氏が再びCEOに就任する予定であることを発表した。
これらの動きは、すべてCanonicalの新規株式公開(IPO)に向けた準備だという。Canonicalは素晴らしい成果を上げてきた。Silber氏が最近述べたとおり、「Ubuntuは幅広く、しかも深く業界に受け入れられている。Walmart、Netflix、eBayなどの企業は、Ubuntuでインフラを構築している。Deutsche Telekom、AT&T、NTTといった通信事業者も、Ubuntuを使用して次世代通信ネットワークを構築している」のが現状だ。
Canonicalは、Ubuntuでも、クラウドでも、コンテナ関係のテクノロジ「Juju」や「LXD」など、そしてサービスとしてのメタル(MAAS)でも成果を上げてきた。それに加え、Shuttleworth氏によれば、同社の「OpenStack」や「Kubernetes」のソフトウェアスタックは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方で急速に普及している。
Shuttleworth氏は、「2016年中のクラウド市場におけるUbuntuの成長は、プライベートクラウドで70%、パブリッククラウドで90%に達した」と述べている。特に、「Ubuntuは5大パブリッククラウドで多くの顧客を得ている」という。
うまくいかなかったのは、Unityをデスクトップ、タブレット、スマートフォンの共通インターフェースにするという挑戦だ。Shuttleworth氏は個人的にこのプロジェクトに投資したが、結局のところ、収益を上げられるほどは普及しなかった。
Mark Shuttleworth氏は、Ubuntu Linuxを管理している企業であるCanonicalの株式を公開しようとしている。