Dell Technologiesから独立した米SonicWallは5月12日、日本のパートナー向けプログラム「Japan SecureFirst パートナープログラム」を発表した。社長兼最高経営責任者(CEO)のBill Conner氏が来日し、今後の事業方針なども説明した。
同社は2016年11月に、Dell Technologiesのソフトウェア事業部門売却に伴ってスピンアウトした。Dellは2012年に旧SonicWallを買収し、「Dell SonicWall」として事業を展開していたが、独立企業として再出発している。
SonicWall 社長兼CEO Bill Conner氏
Conner氏は、AT&Tや旧Nortel Networks、Entrustなどの要職を務め、ネットワークやセキュリティ分野でのキャリアが長い。同日の記者会見では「SonicWallは創業から25年以上の歴史があり、50万社の企業顧客と100万以上のネットワークを保護し続けている。顧客のビジネスを守り続けることが我々のビジョンだ」と語った。
SonicWallは、Dell時代を含めてSSL-VPNやメールセキュリティ、統合脅威管理(UTM)のアプライアンス製品を主に中小企業向けに展開している。Conner氏は、世界中の顧客から提供される情報をもとに相関分析を行い、最新の脅威や防御に関する情報をフィードバックするインテリジェンスに同社の強みがあると説明する。
「セキュリティ対策の進展で良い流れができれば、攻撃者は新たな収益機会を求める。例えば、POSシステムは3、4年前にクレジットカード情報が盗まれる危険性が指摘されて対策が進み、攻撃者はランサムウェア犯罪に走るようになった。こうした脅威の変化へリアルタイムに対応し、可能な限り防御を自動化できるようにしたい」(Conner氏)
Conner氏は、同社がセキュリティ専業ベンダーとして再出発の段階にあるものの、創業以来の事業基盤と実績が今後の強みになるとした。
「Japan SecureFirst パートナープログラム」の概要
ソニックウォール ジャパン代表に就任する藤岡健氏
新プログラムは、海外ではスピンアウトと同時にスタートしており、1万社のパートナーが参加済み。具体的には、企業顧客に対応するセールスやエンジニアなどの担当者が最新のセキュリティ動向を学べる「SonicWall University」や、マーケティングおよび販売支援ツールの提供、製品の検証情報、資格認定といったメニューを用意する。
SonicWallは、6月に日本法人の「ソニックウォール ジャパン」も立ち上げ、デルソフトウェア セキュリティソリューションズの代表を務めた藤岡健氏が、ソニックウォール ジャパンの代表に就任する。
Conner氏は、「中小企業顧客におけるセキュリティのリーダーとしての立場を再び確立し、中堅・大企業やキャンパスネットワークのセキュリティニーズも獲得していく」と話している。