MicrosoftとSAPは20年にもおよぶパートナーシップを築いてきたが、近年はMicrosoftのクラウド戦略も相まって、インメモリーデータベースであるSAP HANAを通した協業態勢を強めている。今回来日したMicrosoft CVP Microsoft Azure team, Jason Zander氏は、「SAP HANA+クラウドから生まれるパワーを活用して、デジタルトランスフォーメーション(変革)を加速させたい」(Zander氏)と語った。
Microsoft CVP Microsoft Azure team, Jason Zander氏
グローバルで40リージョン(うち6リージョンはプラン発表)を持つMicrosoft Azureの新インスタンスとして、「Mシリーズ」「SAP HANA on Azure(Large Instances)」を新たに発表し、2017年12月中末までに東日本・西日本リージョンでの提供を開始する。前者は大規模な基幹業務システムに対応する仮想マシン。
最大128コアCPU、3.8TBメモリーまでの可用性を持つ「典型的な基幹業務システムに適している」(Zander氏)インスタンスだ。後者はSAP HANA用にチューニングしたベアメタルサーバをMicrosoft Azure経由で提供するサービス。最大960CPUスレッド、20TBメモリという構成を7ノードまで実現し、「さらなるスケールパフォーマンスを提供する」(Zander氏)。
SAP TDI認証を受けたハードウェアで構成され、ストレージはSAN(ストレージエリアネットワーク)を採用。オンライントランザクション処理向けには単一ノードで最大20TBのメモリーをサポートし、オンライン分析処理向けにはスケールアウト構成で最大60TBのメモリーをサポートする。また、SLA(サービス品質保証)については99.99%と高い可用性をアピール。
「(クラウド調査企業)Cloud Harmonyによるモニターリングでは99.997%を確認。99.99%という数字はミニマムな保証であり、実際はそれを上回っている」(Zander氏)と、日本市場における高い品質保証についても自信を見せた。なお、ワークロードやハードウェア構成によって10種類の構成を用意し、「ビジネスが成長して扱うデータが増大しても柔軟な拡張が可能。パフォーマンスとコストの両者のメリットを実現する」(Zander氏)という。
G/MシリーズおよびSAP HANA on Azure(Large Instances)のラインアップ