今週の明言

IoT事業に注力する日立社長の利益重視経営 - (page 2)

松岡功

2017-06-16 11:00


グーグルの徳生裕人 製品開発本部長

「まずは世の中に有用なものをつくることに傾注している」
(グーグル 徳生裕人 製品開発本部長)

 グーグルが先頃、Androidスマートフォン向けにAIを使った音声認識機能「Googleアシスタント」の日本語版サービスの提供を開始したと発表した。徳生氏の冒頭の発言はその会見の質疑応答で、新サービスのビジネスモデルを聞かれて答えたものである。

 Googleアシスタントは、iPhoneの「Siri」と同様、話しかけるだけで調べ物や予定の確認などができる。グーグルの音楽や写真保存などのサービスとも連携し、「ドライブにぴったりの曲を流して」「北海道で撮った夕日の写真を見せて」「YouTubeでかわいい猫の動画を見せて」といった要望にも応えてくれるという。

 徳生氏によると、「Googleは、かつてのモバイルファーストから一歩進んで、今はAIファーストというビジョンを掲げている。AIファーストとは、機械学習のパワーを誰でも使えるようにすること。そして誰もがその恩恵を受けられるようにすることだと、当社では考えている。そうした取り組みの中で、今回のGoogleアシスタントは非常に重要なサービスの1つである」という。

 また、競合他社の同様なサービスとの差別化ポイントについては、「検索サービスとの連携が最大の差別化ポイントになるだろう。さらにGoogleアシスタントは将来、スマホだけでなく、自動車をはじめとしてさまざまなデバイスで利用できるようになっていく。この点も差別化ポイントになっていくだろう」と語った。(図参照)


Googleアシスタントは将来、さまざまなデバイスで利用されるようになる

 それにしても徳生氏の冒頭の発言は、いかにもグーグルらしい。「まずは世の中に有用なものを」――というのは、同社の企業文化とも言える。ビジネスモデルは多種多彩に広がっていくだろう。ただ、例えばエコシステムのようなものを形成していくならば、セキュリティやガバナンスの問題も発生してくるような気がする。さらに、企業利用にどう影響してくるか。注目しておきたい。

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