米GoogleとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)がクラウド事業で提携した。大手クラウドサービスベンダー同士だけに注目される動きだが、両社の協業はクラウド連携形態の“旬”を表しているともいえそうだ。
「未来志向」を強調した両社のパートナーシップ
Googleの日本法人グーグルが先頃都内で開催したプライベートイベント「Google Cloud Next'17 in Tokyo」の基調講演の中で、NTT Comと提携したことを発表した。
Googleが提供する「Google Cloud Platform(GCP)」とNTT Comが提供する「Enterprise Cloud」の両クラウドサービスを接続できるようにするほか、両社のAI(人工知能)技術などを駆使して新たなサービスも開発していくとしている。
「GoogleとNTT Comの提携」を発表したグーグルのイベントでの阿部伸一Google Cloud日本代表(左)とNTT Comの森林正彰取締役クラウドサービス部長
基調講演の最後のサプライズとして、グーグルの阿部伸一Google Cloud日本代表に紹介されて登壇したNTT Comの森林正彰取締役クラウドサービス部長は次のように語った。
「弊社はこれまで何でも自分たちで開発する事業スタイルでやってきたが、最近の技術革新のスピードに対応していくには、パートナーとの協業が重要なことを強く感じている。その意味で今回Googleとパートナーシップを結んだことで、ユーザーニーズに柔軟に対応した製品やサービスを提供できるようになると確信している。さらに新サービスを開発するなど“未来志向”の協業を図っていきたい」
森林氏に続いて阿部氏も、「GCPに対する企業の注目度は非常に高いものの、例えば既存のIT資産との連携をどうするのか、といった課題にこれまで十分対応しきれてなかった面があった。NTT Comはその点でさまざまなノウハウを持っておられるので、その力を借りてGCPもうまく連携させていきたい。さらに“未来志向”の協業に発展させていけるよう尽力したい」と述べた。両者とも「未来志向」を強調したのが印象的だった。