BoxはMicrosoftとの協業を強化し、エンタープライズ顧客向けに自社のクラウドコンテンツ管理プラットフォームをAzureと組み合わせて提供することを発表した。Boxはまた、Microsoftの機械学習と人工知能(AI)サービスの統合も進めるほか、「Box Zones」プログラムで、Azureが世界に展開するリージョンを活用できるようにする。
両社の提携は、自社のプラットフォームにインテリジェントなソフトウェアをもたらすというBoxのミッションを強化するとともに、Microsoftが市場開拓戦略で、GoogleやAmazonなどの競合クラウドベンダーとの差別化を図るのを促す。Boxの最高経営責任者(CEO)Aaron Levie氏は6月初め、米ZDNetに対し、Boxにインテリジェンスをもたらす提携を強化していくと述べていた。
Levie氏は、「Boxにインテリジェントな体験をもたらすことが可能な手段は複数ある。提携によって実現することもあるだろう。Google、Microsoftなどの企業、そしてIBMがAI分野で行っていることを考えると、これらの企業と協業して提携先の技術をBoxにもたらすことのできる分野が多くある。研究開発側で大きな効率化が得られるだろう」と述べている。
一方Microsoftは、Boxのエンタープライズ顧客にリーチできることになる。Fortune 500の64%の企業がBoxを導入している。Microsoftはまた、Boxが国内にデータを保管したいというニーズに対応するために2016年に開始した「Box Zones」から得るものもある。顧客はBox Zonesを利用し、欧州とアジアの域内でデータを保存できる。これまでBox Zonesは主にAmazon Web Services(AWS)とIBMのデータセンターを利用していた。
Box Zonesでは、Boxの人気サービスとなっている暗号関連サービスの「KeySafe」も利用できる。KeySafeは現在、AWSなどで利用できるが、BoxがAzureでもKeySafeを利用可能にするかどうかは現時点ではわからない。
また、BoxとMicrosoftは複数の分野で競合していることから、今回の提携が今後の2社の関係にどのような影響を与えるのか不明確だ。例えばBoxのドキュメントストレージサービスは「Microsoft Office 365」と競合するものが多く、BoxはストレージバックアップにAWSを利用している。
Boxによると、BoxとAzureによるサービスは2017年中に提供開始する予定だ。価格や提供地域などの詳細も今後発表するとしている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。