政府においても、「Integrator」の支援に向けた取り組みを進めている。経済産業省は6月16日、「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)のスキル標準・プロセス標準」を公表した。
ロボットシステムインテグレーション導入プロセス標準「RIPS」(Robot system Integration Process Standard)は、ロボットシステムの構築プロセスを最適化する工程管理手法だ。
作業工程や作成するドキュメントを標準化し、作業の可視化や顧客との確実な合意形成を実現させ、ロボットシステム構築プロセスの最適化を支援する。

RIPSの適用範囲 出所:経済産業省 「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)のスキル標準・プロセス標準をとりまとめ」 2017.7
このプロセス標準の策定では、ミツイワが中心となって原案を作成。ロボット革命イニシアティブ協議会・ロボット利活用推進WGでの検討、承認を経て、第一版を改訂し第二版を制定している。
ロボットには、データやAIの実装も重要な位置付けになると考えており、こういった取り組みが広がれば、ビジネスへの活用シーンも増えていくことが期待される。
今後、データを主体としたAI関連のエコシステムの中で、各事業者がどのようなプレイヤーとして新たなビジネスを創造できるか、注目したい。
- 林 雅之
- 国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)。NTTコミュニケーションズで、事業計画、外資系企業や公共機関の営業、市場開発などの業務を担当。政府のクラウドおよび情報通信政策関連案件の担当を経て、2011年6月よりクラウドサービスの開発企画、マーケティング、広報・宣伝に従事。一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) アドバイザー。著書多数。