編集部からのお知らせ
オススメ記事選集PDF:MAツールのいま
「これからの企業IT」の記事はこちら

KDDIとつくる“日本発グローバル基盤”--「ソラコムらしさがなくなることはない」

山田竜司 (編集部)

2017-08-10 17:05

 「ソラコムがKDDIの傘下にはいることによってその良さがなくなることはない」ーー。KDDIとソラコムは8月8日、8月2日に発表された「KDDIのソラコム子会社化」に関する説明会を開催した。

 KDDIは、ソラコム株式の過半数を取得。KDDIのIoTビジネス基盤とソラコムの通信基盤を連携させ、グローバルに通じるIoT基盤を構築する。加えて、これまで培ったIoT/M2Mの知見や顧客基盤を活用し、新たなIoTビジネスの創出を目指す。

 冒頭の発言は、KDDI 理事 バリュー事業企画本部長 新居眞吾氏のものである。新居氏はソラコムを「IoT分野のベンチャーの雄であり、日本国内だけではなく、グローバルで注目される存在」と紹介した。

 さらに、両社の生み出すシナジーとして「ソラコムの海外展開加速」や、両社の技術力を融合させた「次世代ネットワーク開発」を挙げた。また、スモールスタートやセルフサービスの領域はソラコム、1社ごとへの手厚いサービスはKDDIというように、両社の得意とする領域が異なると説明。シナジーの大きさを強調した。

 新居氏は、これまでKDDIがこれまでKDDI∞ラボなどを通して、ベンチャー育成に励んできたと話す。さらに、新たなIoTビジネスを創出するために、この1月にクラウドインテグレーターのアイレットを子会社化したほか、顧客データを分析を手掛けるアクセンチュアとの合弁会社「ARISE analytics」を設立した実績を紹介した。

 今回のソラコム子会社化で、「IoTサービスやビジネス創出へのケイパビリテイが増した」と表現した。

 続いて登壇したソリューション事業本部 副本部長 藤井彰人氏は「KDDIは15年前からM2Mサービスを提供してきたが、特に新たなIoTビジネスの創出に向けてデータの可視化や、価値化、ユースケースの蓄積に励んでいる」と説明。

 2017年度は、LTE-MやNB-IoTといった、基地局を設置するセルラー系の低消費電力広域(Low Power Wide Area:LPWA)技術の商用化に取り組んでいる。「KDDIは、全方位IoT」(藤井氏)としてその注力ぶりをアピールした。

 今回の決断に至った理由は何か。ソラコムの代表取締役社長である玉川憲氏は、ソラコムがKDDIに評価された点として、「サービス開始から2年弱で顧客数を7000にまで伸ばした実績」「2年間で10サービスを立ち上げたクラウド上のソフトウェア開発力」「350以上のパートナープログラムなど、IoTエコシステム構築力」「欧米での販売などを実現した海外展開力」を挙げた。

 そして、ソラコムがKDDIグループに参画する意義を、「セルラーLPWAや5Gのサービスを早いタイミングで開始できる可能性」 「KDDIの通信ネットワーク基盤と、ソラコムのクラウドネイティブ技術の融合」 「グローバルでのKDDI海外展開の連携」「より安定した事業基盤」と説明した。

 ソラコムは、導入が広がりつつあるLoRaやSIGFOXなどの非セルラー系のLPWAには展開していたが、セルラー系LPWAには展開していなかった。

 また、玉川氏は「ソラコムは移動体通信事業者として、キャリアに承諾を得ないとセルラーサービスが拡大できなかった。KDDIとの連携により不安が解消された」と話し、KDDIの子会社になることで大きな後ろ盾ができる点を強調した。

 さらに玉川氏は、「シリコンバレーの”EXIT”は8~9割が大手企業の買収でによるもので、ベンチャー企業としてエンタープライズの子会社になることは特別なことではない」と説明。一方、今回のKDDIの子会社になることを「EXITではなく、エントランスだと思っている。日本発のグローバルプラットフォームを作る」と主張。ビジョン実現のために全力を尽くすと話した。


KDDI 理事 バリュー事業企画本部長 新居眞吾氏(左) ソラコムの代表取締役社長 玉川憲氏(中央) ソリューション事業本部 副本部長 藤井彰人氏(右)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    AWSが提唱する、モダン分析プラットフォームのアーキテクチャと構築手法

  2. クラウドコンピューティング

    AWS資料、ジョブに特化した目的別データベースを選定するためのガイド

  3. セキュリティ

    Zero Trust Workbook--ゼロ トラストの先にある世界を知るためのガイダンス

  4. セキュリティ

    「ゼロトラスト」時代のネットワークセキュリティの思わぬ落とし穴に注意せよ

  5. クラウドコンピューティング

    データ駆動型の組織でビジネスの俊敏性を実現するには?戦略的な意思決定とイノベーションを両立へ

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]