総務省は7月28日、平成29年版の「情報通信に関する現状報告」(平成29年版情報通信白書)を公表した。
平成29年版情報通信白書では、データ主導経済(data-driven economy)と多種多様なデータの生成、収集、流通、分析、活用を徹底的に図ることにより、あらゆる社会経済活動を再設計し、社会の抱える課題の解決が図られる社会変革を特集テーマとしている。
本白書では、以下の第1章ー第5章から構成されている。
- 第1章 スマートフォン経済の現在と将来
- 第2章 ビッグデータ利活用元年の到来
- 第3章 第4次産業革命がもたらす変革
- 第4章 社会的課題解決に役立つICT利活用
- 第5章 熊本地震とICT利活用
今回は、第3章の「第4次産業革命がもたらす変革」を中心に取り上げる。本章では、第4次産業革命によってもたらされる世界的な潮流や変革の可能性などを概観し、産業構造などに与える変化や、日本の第4次産業革命の実現のための進むべき方向性や展望、経済的インパクトなどについて解説する。
- 第1次産業革命:家畜に頼っていた労力を蒸気機関など機械で実現
- 第2次産業革命:内燃機関や電力で大量生産
- 第3次産業革命:コンピュータの登場でデジタルな世界が開き、IT・コンピューター・産業用ロボットによる生産の自動化・効率化の進展
- 第4次産業革命:デジタルな世界と物理的な世界と人間が融合し、あらゆるモノがインターネットにつながり、蓄積されるさまざまなデータをAIなどで解析し、新たな製品・サービスを開発
第1次産業革命から第4次産業革命までを世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)では以下のように、定義している。
「第4次産業革命」という言葉が一般的に認識されるようになったのは、ドイツで2010年に提唱した「Industrie 4.0」からと言われており、米国やイギリスなどの各国の取り組みは以下のとおりだ。