オラクルがCNCFのプラチナ会員に--「Kubernetes on Oracle Linux」もリリース

Steven J. Vaughan-Nichols (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-09-14 09:33

 Oracleが「Cloud Native Computing Foundation」(CNCF)にプラチナ会員として加入した。このニュースは米国時間9月13日、カリフォルニア州ロサンゼルスで開催中の「Open Source Summit」の場で、カンファレンス主催者であるThe Linux FoundationのエグゼクティブディレクターJim Zemlin氏と、Oracleによって発表された。またOracleは今回、「Kubernetes on Oracle Linux」のリリースも発表した。Zemlin氏は、同製品のリリースによって「6つの大手クラウド上で『Kubernetes』が稼働するようになった」と述べている。

 Kubernetesは、オープンソースのコンテナオーケストレーション/管理プラットフォームとして業界をリードする存在であり、コンテナ化されたアプリケーションを管理するための標準として急速に台頭してきている。市場調査会社RedMonkによると、Fortune 100企業の71%がコンテナを利用しており、それら企業の50%以上が既にコンテナオーケストレーションにKubernetesを採用しているという。

 Oracleのソフトウェア開発担当バイスプレジデントであるMark Cavage氏は、「Kubernetesはクラウド上におけるコンテナのオーケストレーションや管理の未来であり、Oracleはこのテクノロジの進歩にコミットし、企業における採用をかつてないほど容易なものにしようとしている。Oracleは社内でKubernetesを使用しており、かなりのエンジニアリングリソースを同プロジェクトに振り向けている。また、『Oracle Cloud Infrastructure』向けのKubernetesインストーラをオープンソース化するとともに、Kubernetes on Oracle Linuxをリリースした。CNCFへの公式加入は、Kubernetesへのさらなる取り組みと、CNCFコミュニティーへの一層の貢献を意味している」と述べている。

 OracleはCNCFに加入しただけではない。同社はKubernetesの発展に取り組んできている。

 Kubernetesの配備は、一筋縄ではいかない場合もある。同社はこの問題に取り組むために、Oracle Cloud Infrastructure向けの自動化された「Kubernetes Terraform」テンプレートをオープンソース化している。これは、現時点でも「Oracle Cloud」のユーザーにとって非常に便利なものと言えるが、オープンソース化によって、他のクラウド向けのKubernetesインストーラの土台としても活用できるはずだ。

 さらに同社は、Kuberenetesとともに使用できる「Oracle Linux Container Services」をリリースした。これにより「Oracle Linux」上で実現されたパブリッククラウド環境やプライベートクラウド環境、オンプレミス環境向けのKubernetesのコンフィギュレーションや設定が簡素化される。このソリューションは、Oracle Linuxと「Oracle Linux Container Services for Docker」に対する合理化されたインストールモデルによる拡張として開発されてきたものだ。その目的は、開発者が迅速に自らのオーケストレーション環境を設定、配備できるようにするというものだ。

 CNCFの最高執行責任者(COO)Chris Aniszczyk氏は、「Oracleは、数十年にわたって世界規模の大企業のニーズを満足させてきた実績を有している」と述べるとともに、「われわれは、OracleがCNCFのプラチナ会員に加入してくれたことで、期待に胸を膨らませている」と述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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