Steve Jobs氏は人前に出るとき、必ずトレードマークの黒いタートルネックのシャツにブルージーンズ、New Balanceのスニーカーを身につけていた。また世界でもっとも裕福な人物の1人であるBill Gates氏の服装について、高校の数学教師のようだと言う人もいる。Linuxの生みの親であるLinux Torvalds氏の服装にも特徴がある。同氏は、自宅のオフィスで働くときは、バスローブを着て快適に過ごすのが好きなのだという。世界中に影響を持つ開発者の人生とは素晴らしいものだ。
ロサンゼルスで開催されているThe Linux Foundationのイベント「Open Source Summit」では、多数の聴衆の前で、同団体のエグゼクティブディレクターJim Zemlin氏による、Torvalds氏へのインタビューセッションが行われた。Zemlin氏はTorvalds氏に、自分の名声についてどう感じているかと尋ねた。Torvalds氏はあまりそのことは考えていないと答えたあと、「何か意味があることをできて嬉しく思っている。誰もが、何か重要なことを成し遂げたいと思っているものだ」と語った。
Torvalds氏は、Linuxで多くの人が生計を立てられるようになったことは嬉しいと話し、それはそれらの人々が楽しめていることを意味していると語った。同氏によれば、学費が無料のフィンランドでは、サバイバルを生き抜く必要が少ないため、技術的なチャレンジに楽しんで取り組むことは比較的簡単だという。
また、一部のフリーソフトウェアのファンは依然として企業を嫌っているが、「問題をそのように見るべきではない。企業をオープンソースに巻き込むことは非常に重要だ。…自分たちのプロジェクトがより良いものとなるよう助けてくれる可能性のある企業を嫌うべきではない。ユーザーをもたらすのは企業であり、ユーザーがいなければ、プロジェクトにはあまり意味がない」と付け加えた。
Torvalds氏は、最近では企業と協力することが非常に簡単になったと語った。「これは以前は非常に大きな問題だった。企業は、従業員がオープンソースプロジェクトに関わることを許さなかった」と同氏は言う。例えば企業は、オープンソースプロジェクトで会社の電子メールアドレスを使うことを許さない場合があり、自社のものではないプロジェクトに関わっている開発者のことで気を揉んでいた。
しかし、そのような時代は過去のものになった。Torvalds氏は、「企業は、オープンソースと連携できることを学んだ」と話す。実際今では、オープンソースソフトウェアなしのビジネスは考えられなくなっている。