海外コメンタリー

ビッグデータ活用をカギにデジタル変革を実現--5つの事例に学ぶ

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-09-28 06:30

 現代の多くの企業にとって、ビッグデータは成功のための重要な要素になりつつある。規模の大小に関わらず、さまざまな企業が構造化データや非構造化データを使って知見を見いだし、それを適用することで生産性を向上させ、費用を削減し、マーケティングを改善するなどしている。

 このように、ビッグデータは多くのデジタル変革の取り組みで基礎的な役割を果たしている。ビッグデータの力を利用することで、企業はデジタル変革推進プログラムの方向性をより効果的に定め、業績を最大限に拡大することができる。

 この記事では、デジタル変革の推進にビッグデータをうまく利用している5つの組織を紹介する。

1.シカゴカブス

 シカゴカブスの技術担当バイスプレジデントAndrew McIntyre氏は、2011年に同球団に参加したとき、すぐにITインフラ投資で大きな効果を得られるチャンスがあると気づいた。

 「野球場の中と外の両方で最高の球団になるには、データに対して時間とリソースを投資し、よりよい意思決定をできるようにすることが必要不可欠であることは分かっていた」とMcIntyre氏は述べている。

 McIntyre氏とカブスにとってもっとも大きな課題は、同球団の本拠地である伝説的なリグレーフィールドの「魔法」を維持したまま、ファンの体験を向上させることだった。そのためにカブスはまず、リグレーフィールドを訪れる年間300万人のファンのデータ(特に、球団内の運営と売上に影響のあるもの)を組織に注ぎ込むことに力を入れた。

 「大抵のスポーツ組織の収益は、チケット販売、グッズ販売、売店、スポンサー収入、放映権収入の5つに分類される」とMcIntyre氏は言う。

 このデータを使うことで、球団は商品を適切に流通させ、正しいチャンネルを通じたマーケティングができるようになったという。これによってカブスは、チーム自体やその他の開発プロジェクトに再投資可能な資本の余裕を作れた。

 同球団のデジタル変革の取り組みはまだ道半ばで、現時点で扱っているのは、運営に関するデータだけだ。しかしMcIntyre氏によれば、同球団はファンのデータに手を広げ始めており、2018年から導入する観客向けWi-Fiネットワークの提供開始についての情報提供に、このデータを使う予定だという。

ビッグデータ
提供:iStockphoto/anyaberkut

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    ランサムウェア攻撃に狙われる医療機関、今すぐ実践すべきセキュリティ対策とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]