米調査会社Gartnerが発表した世界サーバ市場に関する調査結果によると、2017年第1四半期におけるサーバの出荷台数と売上高は前年同期比で落ち込みを見せていたが、第2四半期には若干の伸びを見せているという。
2017年第2四半期の世界サーバ市場は、前年同期に比べて売上高が2.8%増、出荷台数が2.4%増となっている。
Gartnerのリサーチ担当バイスプレジデントであるJeffrey Hewitt氏は、成長要因として次の2つを挙げている。1つは、主に中国で実施されている大規模データセンター構築プロジェクトであり、もう1つはFacebookやGoogleのような企業のハイパースケールデータセンターの成長が続いていることだ。
企業がアプリケーションの仮想化(物理ハードウェアに対するニーズが少なくなる)やクラウドへの移行(企業のサーバ支出が減少する一方、ハイパースケールクラウドプロバイダーの支出が増加する)に目を向けるようになった結果、法人支出の伸びが鈍化している。
Hewitt氏は米ZDNetに対して「ハイパースケールデータセンターが新市場の著しい成長に対応するためのサービスを提供しているなか、エンタープライズサーバに対する支出は現在のところ横ばい状態となっている」と語っている。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)が世界のサーバ売上高で首位となり、サーバ企業としてトップの座を維持している。売上高は32億ドルで、9.4%減少したが、2017年第2四半期の市場シェアの23%を占めた。
Dell EMCは2位で、売上高は7%増の27億ドルとなり、市場シェアの19.9%を占めた。Huawei(ファーウェイ)の売上高は57.8%増加し、最も高い伸びを見せた。

提供:Gartner
出荷台数では、Dell EMCが首位でシェアは17.5%だった。HPEは僅差で2位となり、シェアは17.1%となった。

提供:Gartner
ハードウェアを種類別に見ると、前年同期比でx86サーバの出荷台数が2.5%増加し、売上高は6.9%増加しているものの、RISC/Itanium搭載UNIXサーバは世界的に落ち込み、出荷台数は21.4%減、売上高は24.9%減となっている。また、主にメインフレームが占める「その他のCPU」カテゴリの売上高は29.5%減少している。
Hewitt氏は「x86サーバは、サーバにおける大多数のワークロードやアプリケーション向けとして主流の標準プラットフォームになった。有機的な成長と、エッジやクラウドの要求に基づき、将来的にもこの傾向は続いていくと考えている」と述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。