統合ありきで進んではいない--Dell EMCのサービス統合戦略の現在

渡邉利和

2017-09-11 10:54

 DellとEMCが統合してちょうど1周年を迎えた9月8日、Dell EMCはこれまで両社が提供してきたサポート/サービスの統合状況に関するプレス向け説明会を開催した。

デル
デル サービスビジネス営業統括本部長の高橋歩氏

 説明を行ったデル サービスビジネス営業統括本部長の高橋歩氏は、基本的な考え方として「統合を急ぐものではなく、顧客メリットを最優先に取り組んでいく」という姿勢を表明した。「プライベートカンパニーとしての強み」という発言もあり、ステークホルダーからの“目に見える形での統合メリットを早く示せ”といった圧力がない点も、こうした姿勢を取ることを可能とした要因となっているようだ。

 両社のサポートポートフォリオは完全に一致していたわけではなく、Dellのポートフォリオを基準に考えると、ハードウェアサポートのみの「Basic Support」、ハードウェアとソフトウェアの包括的なサポートとなる「ProSupport」、プロアクティブな未然予防的なサポートを提供する「ProSupport Plus」の3段階のサポートプログラムが存在していた。

統合されたDell
統合されたDell EMCの新しいサポートサービスのポートフォリオ

 一方、EMC側ではBasic Support、ProSupportに相当するサポートプログラムを提供していたものの、ProSupport Plusに相当するプログラムはなかったという。そこで、新たなサポートポートフォリオは「ProSupport」というブランドに統合。その上で、Dell側の3段階のサポートメニューに加え、さらに両社のエンタープライズ製品を利用しているユーザー企業向けに、サポート窓口となる「テクノロジサービス マネージャー」(TSM、Dell)とサービス アカウント マネージャー(SAM、EMC)が連携し、一元的なサポートを提供する新メニューとして「ProSupport One for Datacenter」を追加し、11月以降に提供開始する。

 なお、Dell EMCのオフィスでは固定席を大幅に削減してモバイル席やコラボレーションスペースに転用することで、両社の社員の密なコミュニケーションを施設面からも後押しする取り組みを進めており、大きな成果を挙げているという。統合から一年が経過し、DellとEMCの統合は順調に進展していると見て良さそうだ。

コラボレーションスペースの様子''
コラボレーションスペースの様子

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