サイオステクノロジーは9月28日、Linux向け高可用性(HA)クラスタソフトウェアの最新版「LifeKeeper for Linux v9.2」を発表した。10月2日から受注、出荷する。前版を利用中で保守契約を結んでいるユーザーは、無償でアップグレードする権利を用意、新機能を追加費用なしで利用できる。
最新版では、基幹システムのクラウド化の流れの強まりを受け、Amazon Web Services(AWS)との親和性向上、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)への対応、SAPへの対応という3点を重点的に強化しているという。
AWS上のクラスタノードを利用する仕組みとして、専用回線で直接接続する「AWS Direct Connect」を利用して、オンプレミス環境のクライアントから、専用線による閉域網を通してAWS上のクラスタシステムを利用できる。従来のインターネット経由での接続に比べて遥かにセキュアで安定したネットワーク環境でオンプレミスとAWSを連携させられるという。
HCIが次世代の仮想基盤として企業の基幹システムやデータベースへと用途を広げている流れを受け、代表的なNutanixのハイパーバイザである「Acropolis Hypervisor(AHV)」をサポート対象に加えた(v9.2リリース時点では、Single Server Protectionのみが対象)。加えて「VMWare vSAN」環境でのLifeKeeperの動作検証を完了している。
これらにより、システム基盤だけではなくアプリケーションやミドルウェアを含めた、トータルシステムとして可用性を高められるため、HCI上で基幹系システムを安心して運用できるという。
インメモリデータベースの最新版である「SAP HANA 2.0」にも対応した。HANA 2.0のマルチテナント機能を活用してシステムリソースの効率的な利用や優れた運用性という特徴が加わり、障害発生時の自動検知と自動復旧という機能を加えることで盤石なエンタープライズシステムの基盤を構築できるとしている。