Cisco Systemsは米国時間10月12日、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)ソリューション「Cisco Application Centric Infrastructure」(Cisco ACI)をアップデートしたと発表した。複雑なマルチクラウド戦略を採用する顧客が増加するなか、同社はこの製品でネットワーク管理の簡素化を目指す。
今回リリースされた最新版(「ACI 3.0」)では、プライベートクラウド上や、オンプレミスのデータセンター上に配備されたコンテナや仮想マシン(VM)、ベアメタル上で動作するあらゆるワークロードの組み合わせに対するセキュリティの強化と管理の簡素化が実現されている。
同社のデータセンターネットワーキング担当シニアバイスプレジデントであるIsh Limkakeng氏は発表で、「ACIの新たなマルチサイト管理能力は、複数のデータセンターや物理拠点を横断するポリシーを一元的に適用し、基本的なIT運用を自動化することで、ネットワーク運用担当者によるワークロードの移動や管理を単一画面からより簡単に行えるよう支援する。これは『ACI Anywhere』(どこからでもACIを利用可能にする)というCiscoのビジョンを実現するうえで重要なステップとなっている」と述べている。
なおACI 3.0には以下の新機能が含まれている。
- マルチサイト管理機能:これにより地理的に分散した複数のACIファブリックに対するシームレスな接続と管理が可能になるため、障害発生時におけるドメインの隔離による可用性の向上が期待できる。また、ネットワークポリシー全体を一望できる単一の管理ポータルも利用可能になる。
- 「Kubernetes」との統合機能:これにより顧客は、自らのワークロードをコンテナ内のマイクロサービスとして配備し、Kubernetesを通じてそれらのACIネットワークポリシーを定義できるようになるため、コンテナとVM、ベアメタル向けのネットワークコンポーネントの統合を実現できる。
- 新しいユーザーインターフェース:一貫したレイアウトや、シンプルになったトポロジ図、トラブルシューティング用ウィザードが提供される。
- セキュリティ:「First Hop Security」を統合し、IP/MACのスプーフィングなどの攻撃を緩和することが可能になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。