ARMは米国時間10月23日、「TechCon 2017」に先立って、セキュアなコネクテッドデバイス構築のための新しいシステムアーキテクチャ「Platform Security Architecture(PSA)」を発表した。
PSAは、開発者、ハードウェアベンダー、シリコンプロバイダーらが利用できる共通の業界フレームワークで、「ARM Cortex」プロセッサをベースとするシステムオンチップ(SoC)でのIoTのセキュリティ強化を目指す。
ARMは2016年、ソフトバンクの会長である孫正義氏とともに、コネクテッドデバイスの数が2035年に1兆台に達する可能性があるとの予測を出している。これらのデバイスが、2016年に世間を騒がせた「Mirai」ボットネットのように悪意ある目的で使われるのを防ぐためには、ネットワークレベルだけではなく、ハードウェアレベルで保護することが求められる。
ARMによると、PSAはそのために必要なものだという。ARMは、2021年までに2000億台ものARMベースのチップが出荷されると予想しており、IoTにとって「セキュリティはもはや、あれば良いというオプションではない」と述べている。PSAを導入することで、コスト要因を低減し、デバイスの製造段階からクラウドまでセキュリティを実装できるようにしたいと考えている。
PSAの導入を促すため、ARMはPSA仕様に対応するファームウェア仕様実装のためのオープンソースのリファレンス「Trusted Firmware-M」も提供していく計画だ。
Trusted Firmware-Mはまず「Armv8-M」システムをターゲットとし、2018年にオープンソースコミュニティにコードを公開するという。
この新しいアーキテクチャはIoTセキュリティの経済性における「根本的なシフト」だとARMは述べている。根本原理を導入することで開発者やベンダーなどは今日のIoTセキュリティに関連するコストや時間、リスクを削減できるようになるという。
ARMのIoTセキュリティ担当ディレクターRob Coombs氏によると、PSA全体は仕様と共に2018年第1四半期にリリースする予定という。PSAの開発は「ARMとパートナー企業の複数年」の取り組みとなるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。