Gartnerによると、2018年の戦略的なテクノロジとして重視されるのは人工知能(AI)や機械学習、対話プラットフォームをはじめとするツール、デジタルツイン、ブロックチェーンなどだという。
同社はフロリダ州オーランドで開催した「Gartner Symposium/ITxpo」で、2018年の戦略的テクノロジの上位を占めるものについて概説した。これらは、2018年に3兆7000億ドルに達する世界のIT投資(前年比4.3%増)の一環となるだろう。
米ZDNetの姉妹サイトであるTech Pro Researchの調査によると、IT予算は控えめながら上昇するとはいえ、不透明な要素がいくつかあるという。なお回答者の39%は、2018年のIT予算が1〜10%増になると答えている。
Gartnerが挙げている戦略的テクノロジのトレンドのトップ10はすべて、多かれ少なかれデジタル変革に関連がある。注目すべき点として、AIがあらゆるシステムに浸透しつつあることが挙げられる。
戦略的に重視される分野

AI基盤
AIはテクノロジベンダーにとってのみならず、企業の投資分野としても激戦の舞台となるだろう。AIは顧客エクスペリエンスやビジネスモデルにも影響を与える。投資分野としてはデータ準備やアルゴリズム、訓練、モデルのほか、データ科学者と開発者、ビジネスリーダーの結束につながるものが挙げられる。
インテリジェントなアプリとアナリティクス
程度の差こそあれ、あらゆるアプリが何らかのレベルでAIを組み込むようになるため、インテリジェントなアプリは人間の能力を増大させるために用いられるようになるだろう。機械学習を使ってデータの準備や洞察の共有といったものを自動化する企業に注目してほしい。パッケージアプリは、よりインテリジェントなものになっていくだろう。実際、SAPやOracleはインテリジェンス機能の搭載を売りにしており、WorkdayやSalesforceをはじめとする他の企業も同様の動きに出ている。
インテリジェントなもの、すなわちIoT
自動運転車は、農場や採掘現場といった、特定環境下での導入が進むだろう。また、ロボット工学やドローン、IoTによってコンシューマーとシステム、業界がつながるようになる。
デジタルツインがIoT分野にも適用されるようになり、意思決定が支援される
デジタルツインは、General Electric(GE)によって普及が進められた分野にとどまらず、さまざまな環境に広がっていくだろう。
エッジでのクラウドコンピューティング
クラウドのエッジ部分では、エンドポイントとのレイテンシの解消に向け、分散化が図られるとともに、インテリジェント化が進んでいくだろう。
対話プラットフォーム
企業のシステムだけではなく、さまざまなソフトウェアの各所に対話インターフェースが組み込まれるようになるだろう。
没入感のあるエクスペリエンスや拡張現実(AR)、仮想現実(VR)
こうしたエクスペリエンスは生産性や視覚化、デザイン、訓練といった目的でより多くの企業に浸透していくだろう。
ブロックチェーン
ブロックチェーンは政府機関やヘルスケア分野、製造業、メディア配信、サプライチェーン、身元証明などでさまざまな応用事例が考えられる。言い換えれば、ブロックチェーンの可能性は大きく広がっているため、金融サービスとBitcoinにばかり目を向けるのはやめた方がよいということだ。
イベント駆動のデジタルビジネス
企業はイベント駆動のビジネスモデルに向かっていくだろう。IoTやクラウド、ブロックチェーン、インメモリデータ、AIがそのイネーブラーとなるはずだ。
アダプティブリスクとアダプティブトラスト
インフラがその場で状況に適応し、リスクを管理しなければならなくなるとともに、セキュリティは共通のテーマになっていくだろう。Oracleの最高技術責任者(CTO)Larry Ellison氏は、セキュリティの自動化が大きなテーマになるだろうと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。