Forrester Researchのバイスプレジデント兼主席アナリストBoris Evelson氏は、自然言語処理(NLP)や自然言語生成(NLG)などの技術と、ドラッグ・アンド・ドロップを使ったグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の進歩の組み合わせによって、ソリューションをコーディングしなくても、容易に知見を得られるようになると述べている。Evelson氏によれば、これはデータアナリティクスが「データのプロフェッショナルでなくとも直接利用できる」ものになることを意味している。
またAIは、BIで使用する非構造化データの処理にも役立つようになる。「AIを組み込んだBIは、完全ではないにせよ、データを(リレーショナル構造などの)BIツールが扱えるフォーマットやモデルに変換するために必要なステップをある程度自動化してくれる」とEvelson氏は言う。「これには、機械学習によるデータの発見や機械学習によるデータのキュレーション、つまりクレンジングや統合などの作業も含まれる」
Evelson氏は、これらの変化は分析に利用できるデータを増やすことになるため、データアナリストの職が増えることにもつながると述べている。
3.ヘルプデスク
451 Researchの共同創業者兼調査担当バイスプレジデントNick Patience氏によれば、大企業では、ヘルプデスクは「多くの機械学習プロジェクトのスタート地点」になっているという。これはテキスト入力での簡単な質問に対応できる会話ロボットである、チャットボットの登場と関係が深い。
近年、チャットボットはカスタマーサービスや小売サイトで使用されているが、現在ではヘルプデスクで利用される例も増えている。Forrester Researchのバイスプレジデント兼プリンシパルアナリストJ. P. Gownder氏は、近い将来、ヘルプデスクのプロフェッショナルがより困難な問題に時間を割けるように、新入社員対応やパスワードのリセットなどの単純な作業には、チャットボットが利用されるようになると述べている。
Gownder氏は、「一部のケースでは、自動化によってこの分野の人員が削減され、別の分野に再配置される場合もあるだろう」と述べている。
4.ソフトウェアエンジニア・ウェブ開発者
GartnerのSapp氏は、「今後はAIが新しいUIになる。これは、AIがユーザー体験を向上させる手段を大きく変えるためだ」と述べている。デバイスやサービスの操作方法が変わるため、一般消費者は大きな影響を受けるが、ユーザー体験を設計するエンジニアや開発者が受ける影響も大きい。