エリック教授の”Next DX”論

サイバーレジリエンスはデジタルのヒーロー--エリック松永のデジタルIQ道場(6) - (page 2)

松永 エリック・匡史

2017-12-19 07:30

サイバーレジリエンスが定義するヒーローの条件

 サイバーレジリエンスは、被害の予防から、被害が発生する事を前提とし、どう逆境に立ち向うかに重きを置いています。ガートナーは未知の脅威に対処する”6つの基本原則”を提唱(2015年7月13日、「ガートナー セキュリティ&リスク・マネジメントサミット 2015」にて)しています。これはヒーローとしての条件を示していると言えるでしょう。

  1. セキュリティー技術的の限界を知る
  2. セキュリティ被害は避けられないと認める
  3. サイバー対象になるデータの流れを制御しようとするのではなく理解することに重きを置く
  4. 機械的なセキュリティーチェックではなく、リスクを予測し確認するようなリスクベース思考に発想を転換する
  5. セキュリティーの指揮官、すなわちヒーローのリーダーは守りのディフェンダーではなくビジネス、テクノロジ、オペレーションといった各部門のヒーローたちの連係を促がすファシリテーターになる
  6. ITインフラを守るのではなくビジネスを守ることにこだわる

デジタルとサイバー

 デジタルで新たなサービスが生まれ、ビジネス環境は大きく変化しています。便利で夢のようなデジタルサービスの裏には、われわれ個人の深いデータが扱われています。このデータをどう守っていくのかは、デジタル化をより促進させていくために最も重要な課題となります。デジタルの未来を支えるのは、サーバーセキュリティの担い手たちであることは間違いありません。

 サーバーレジリエンス:困難に立ち向かうサイバーセキュリティーのヒーローが活躍する世界が既に始まっているのです。

Peace out,

 
松永 エリック・匡史
青山学院大学 地球社会共生学部 学部長 教授
経営コンサルタント、音楽家


1967年、東京生まれ。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。幼少期を南米(ドミニカ共和国)やニューヨークなどで過ごし、15歳からプロミュージシャンとして活動、国立音楽大学でクラッシック音楽、米国バークリー音楽院でJazzを学ぶ。システムエンジニアを経て、コンサル業界に転身。アクセンチュア、野村総合研究所、日本IBMを経て、デロイト トーマツ コンサルティングにてメディアセクターAPAC統括パートナーに就任。その後PwCコンサルティングにてデジタルサービス日本統括パートナーに就任しデジタル事業を立ち上げ、エクスペリエンスセンターを設立し初代センター長を務めた。

2018年よりONE NATION Digital & Mediaを立ち上げ、現在も大手企業を中心にデジタル変革(DX)のコンサルを行う。2019年、青山学院大学 地球社会共生学部 (国際ビジネス・国際経営学) 教授に就任、アーティスト思考を提唱。学生と社会人の共感と創造の場「エリックゼミ」において社会課題の解決に挑む。2023年より地球社会共生学部 学部長。 事業構想大学院大学 特任教授。学校法人聖ステパノ学園理事。

著書に『直感・共感・官能のアーティスト思考』(学校法人先端教育機構)、『バリューのことだけ考えろ』(SBクリエイティブ)、『外資系トップコンサルタントが教える英文履歴書完全マニュアル』(ナツメ社)、監修に『CD付き 実例でわかる! 英語面接完全マニュアル』(ナツメ社)がある。

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