ロボティクスなどのオートメーション関連の米業界団体Association for Advancing Automation(A3)は、2017年1~9月のオートメーション製品の売上と出荷に関する統計を発表した。
オートメーションが業界を問わず急速に普及している現状を知っていれば驚きはないだろうが、この期間の数字は、ロボット、マシンビジョン、モーションコントロール、モーター技術などの分野で、従来の記録を大きく上回った。
今回の統計は、フルフィルメントや軽工業から外食産業やヘルスケア業界に至るまで、さまざまな業界の業務に急速にオートメーションが普及していることをはっきりと示している。
北米では2017年の最初の9カ月間で、2万7294台のロボットが受注され、約14億7300万ドルの売上を記録した。これは、過去の記録を大きく上回るものだ。
この数字は前年の同時期と比べ、受注台数で14%、売上高で10%大きい。
これまで長い間、産業用ロボットは自動車産業や金属工業などの一部の重工業で利用されてきた。A3の調査では、長年オートメーション技術を使ってきたこれらの業界も、大幅に生産能力を拡大していることが明らかになった。自動車業界関連の受注は、受注台数で11%、売上高で10%伸びている(前年同期比)。
これまで価格の問題でオートメーションを導入できなかった業界では、数字の伸びはさらに大きい。センサの低価格化、導入が容易な倉庫や工場向けタスク非依存型ロボットを製造する企業の増加、「Amazon Prime」が支配するeコマースエコシステムでのフルフィルメントの自動化ラッシュなども、この成長に寄与している。
自動車業界以外からの受注は、受注台数で20%、売上高で11%増加した(前年同期比)。
この数カ月間で筆者が話を聞いたアナリスト全員が、今は成長曲線の最初の段階だと考えている。これは、さまざまな業界が業務の自動化を進めるに従って、ロボットの普及ペースがさらに加速していくことを意味している。
これは生産性に大きなプラスの影響を与えるはずであり、それと同時に、低スキルおよび中程度のスキルの労働者の雇用環境にも、短期的に不安定な状況をもたらす可能性がある。
普及は2018年も続く可能性が高く、オートメーションの実験を始めた病院やホテル、レストランなどをはじめとする生活の一場面で、一般消費者がロボットを目にし始める年になるだろうと筆者は予想している。2018年中は、ロボットはまだ目新しく、見かければ写真を撮られるような存在だろうが、それも長いことではないはずだ。
2017年の状況を振り返れば分かるとおり、ロボットの普及は極めて急速に進んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。