最近の調査によると、企業は多大な労力を傾けてデジタル変革に取り組んでいるという。以下では、新たな年にこうした取り組みをスムーズに進めるうえでの8つの方法を紹介する。
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企業はその規模にかかわらず、デジタル技術の導入を進め、生産性や効率の向上とともに、売上高の増大を目指している。米TechRepublicが最近の記事で伝えているように、Major League Baseball(MLB)やRoyal Caribbeanといった企業はモバイルアプリやビッグデータを活用して顧客エクスペリエンスを向上させている。また、非営利団体Foundation Centerのような小規模組織もデジタル変革に着手し、ビッグデータや機械学習(ML)をツールとして活用している。
IDCが2017年11月に発表したレポートでは、企業がデジタル変革に投じる金額は2019年末までに世界で1兆7000億ドルに達する見込みだとされている。しかし、調査対象となった企業の多くがまだ変革の初期段階にあるという。
以下は、最高情報責任者(CIO)が2018年にデジタル変革への取り組みをさらに推進するうえで達成すべき8つの目標だ。
#1:自社にとってのデジタル変革の意味を定義する
SYPartnersのプリンシパルであるJoshua-Michéle Ross氏は米TechRepublicとの最近のインタビューで、「デジタル変革は突き詰めると、企業が新たな機会を手中に収めるために、業務や、業務に携わる従業員の行動や物の考え方を再構成するということになる」と述べるとともに、「多くの企業は、従業員が実際に納得できない、そして業務上の観点とつながらないようなところからデジタル変革のイニシアティブを始めようとする」と述べている。
CIOにとっては当たり前の話であっても、それがすべての人々にとって当然のことになるとは限らない。IT部門以外の多くの人々(他部門の企業幹部を含む)はデジタル変革のことを、紙ベースの文書を電子的なファイルに変更するくらいにしか捉えていないのだ。こうした幹部はデジタル変革を、IoTを活用した工場の自動化や、スマートラベルを用いたサプライチェーン上のアイテム追跡と結びつけていない。自社が活用できるデジタル変革のさまざまな能力すべてについて、組織のあらゆるレベルの重要なインフルエンサーを啓蒙(けいもう)するのはCIOの双肩にかかっている。