IT企業の年頭所感

IT企業の年頭所感2018(2)--改革の成果を刈り取る年に

ZDNet Japan Staff 2018年01月04日 15時00分

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日立製作所 執行役社長兼CEO 東原敏昭

日立製作所 執行役社長兼CEO 東原敏昭
日立製作所 執行役社長兼CEO 東原敏昭氏

 2017年は、従業員一同の頑張りで、強い日立の実現に向けて、手応えを感じた1年でした。特に、10月に発表した2017年度上期決算では、売上収益が当初見通しを上回るとともに、過去最高の営業利益と当期利益を達成することができました。これらは、社会イノベーション事業の拡大や、Hitachi Smart Transformation Projectの推進によるコスト競争力強化、事業ポートフォリオの見直しなど、継続して行ってきた経営体質の改善が実を結んだ結果であり、資本市場からも一定の評価を受けるに至っています。

 2018年度は、2018中期経営計画の最終年度であり、目標として掲げている売上収益10兆円、調整後営業利益率8%超、EBIT率8%超、親会社株主に帰属する当期利益4000億円超を達成するため、これまで行ってきた改革の成果を刈り取る年です。そして、日立がオペレーショ制御技術(OT)、情報技術(IT)、プロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業の拡大によって、世界の変化をリードする真のグローバル企業としての第一歩を踏み出す年にしたいと考えています。年始に当たり、その実現に向けて、次の4点を意識していきたいと考えています。

 まず1点目は、「構造改革を絶え間なく実行すること」です。グローバル市場で競合他社に勝つためには大きな投資が必要であり、そのためには利益水準をより一層高めなくてはなりません。日立はこれまで、低収益事業の構造改革を断行してきましたが、決してそれで終わりではなく、グロスマージンの改善や販売費及び一般管理費(SG&A)の削減など、コスト構造をより意識した改革が重要です。人工知能の導入なども含めて業務プロセスを徹底的に見直し、不断の構造改革を行うことで利益水準を高め、グローバルにおける事業拡大に向けてまい進していきましょう。

 2点目は、「常に世界ナンバーワンを意識すること」です。グローバルでの中長期的な成長戦略を考えるときに最も重要なことは、やはり世界ナンバーワンの製品やサービスを有することです。海外のグローバル企業と比べても、これだけは絶対に負けないという製品、サービスを持ち、勝つシナリオを作ることでグローバル市場を生き抜くことができるのです。また、製品やサービスだけでなく、私たち自身の業務プロセスや働き方、仕事に対する姿勢でも世界ナンバーワンになることで、日立がグローバルにイノベーションの連鎖を生み出す企業になることができるものと信じています。従業員一人ひとりが、それぞれのステージで世界ナンバーワンになることをより強く意識してほしいと思います。

 そして、3点目は、「キャッシュを稼ぐ意識を持つこと」です。現在のビジネスは、これまでのように製品を作り、形のあるものを売ってお金を稼ぐということから、お客さまの課題を解決、価値を提供するモデルへとシフトしています。今までよりも複雑になったビジネスモデルであるからこそ、キャッシュをどこで稼ぐかという意識を持っていないと、日立にとっての価値は生まれません。2018中期経営計画で掲げる「IoT時代のイノベーションパートナー」となるためには、お客さまの課題に寄り添い、見える化すること。そして、アイデアを共有し、ビジョンを描き、マネタイズできるモデルを作ること。それらが重要になると思います。グローバルで勝つための投資にはキャッシュが必要であり、何としても2018中期経営計画で掲げている営業キャッシュフローマージン率9%超を達成しましょう。

 最後の4点目は、「基本と正道」です。企業にとって最も重要なものは信頼であり、一度その信頼を失うと取り戻すのは容易なことではありません。いま一度、企業として最も大切なのは「基本と正道」「損得より善悪」であることを徹底してください。そして、繰り返し伝えているように、私たちの仕事の優先順位は「S(Safety:安全)>>Q(Quality:品質)>D(Delivery:納期)>C(Cost:コスト)」です。SとQの間に>が2つ書いてあるとおり、安全が最も優先されるべき事項です。日立がお客さまに提供している社会イノベーション事業は、社会を支える基盤です。業績の目標を達成することはもちろん重要ですが、安全で品質が担保された製品をお届けすることが社会の信用を得て、将来的にも信頼される会社として、継続的に発展できる重要なポイントです。「基本と正道」の再徹底をお願いします。

 2018年は、以上の4点を意識しながら、2018中期経営計画の達成と、真のグローバル企業へのさらなる進化を成し遂げましょう。

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