セールスフォース・ドットコム 代表取締役会長兼社長 小出伸一
第4次産業革命時代に「テクノロジの民主化」であらゆる規模・業種の企業の成功を支援
セールスフォース・ドットコム 代表取締役会長兼社長 小出伸一氏
2017年はセールスフォース・ドットコムにとって、さらに素晴らしい成長を遂げた1年となりました。これもひとえにお客さまならびにパートナー企業の皆さまの格別のご支援とお引き立てを受け賜ることができた結果であり、大変感謝しております。
今日、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)といったテクノロジが、経済・社会、そして私たちの暮らしを身近なところで大きく変えようとしている第4次産業革命時代(インダストリー4.0)を迎えています。こうしたテクノロジは、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)をも変革しています。顧客は今やあらゆるデバイスとつながり、あらゆる情報へのアクセスが容易になっていることから、企業に対して顧客が優位な時代となっています。
効率良くさらに効果的に顧客のニーズや傾向を把握し、最新テクノロジを駆使することで、「顧客一人ひとりとエンゲージメントを強化」していくことが企業が競合優位性を獲得していく上で重要な鍵の一つになります。
「顧客と新しいカタチでつながる」――創立以来セールスフォース・ドットコムでは、中小中堅から大企業まであらゆる規模・業種の企業が、即座に最新テクノロジを使えるよう「テクノロジの民主化」を推進し、企業が顧客とのエンゲージメントを強化していくことをサポートしてきました。今や顧客との接点は、営業だけではなく、サービス、マーケティング、コマースと多様化しています。これらの接点をシームレスに、部門間を横断して連携することで、BtoBのみならずBtoCまで一気通貫したカスタマーエクスペリエンスの変革を支援し、お客さまの成功に貢献してまいりました。
2017年は、「Year of Einstein(Einstein の年)」として、2016年に発表したEinstein AIの機能やソリューションの提供をさらに充実させました。機械学習とデータサイエンスを組み合わせて営業案件の優先順位を示唆するLeadScoringや、顧客関係管理(CRM)に画像認識を活用したり、AIを組み込んだアプリ開発を迅速にするEinsteinVisionなどはその一例で、国内においてもこれらの提案が進みました。またIBMのWatsonとSalesforceのEinsteinを活用したAIソリューションを提供していくことも発表しました。
2018年はますますの「AIの民主化」を目指し、利便性と操作性を高めたCRM上のAIテクノロジ供給に努めます。例えばドラッグ&ドロップでAIと深層学習を活用したアプリ開発を実現するEinstein Prediction Builderや、IoTとビジネスアプリを連携するIoT Explorerなども国内で展開していきます。
おかげさまでセールスフォース・ドットコムは、2018年度(2017年2月~2018年1月期)の売り上げが100億ドルに到達する見込みで、エンタープライズソフトウェア業界でトップ5に入る企業へと最速スピードで成長しています。世界においてCRMを戦略的に採用する動きが加速したことに加え、世界No.1 CRMとしての信頼と実績が大きく寄与した結果だと考えています。
国内においても、多くの大手企業のお客さまから、デジタルトランスフォーメーションの実現を見据え、Salesforceをメインプラットフォームとして採用いただく案件が加速しました。中でも、2017年に多く引き合いをいただいたBtoCビジネスを展開するお客さまに向けて、デジタルマーケティングの域にとどまらず、包括的なCRMの提案させていただきます。
さらに、各インダストリー分野への支援強化は欠かせません。コンサルティングパートナー4社との提携プログラムなどを通じ、それぞれが実績とノウハウを有する業界向けにSalesforce上で構築したインダストリーソリューションを既に提供しており、引き合いをいただいています。さらにさまざまなデバイスとつながるIoTをより顧客とつながるものとするために業種向けサービスとして推進するパートナープログラムを新たに立ち上げることも計画しており、各パートナーが得意とする業界向けに国内のIoTへの取組みをさらに次のレベルへと引き上げるためのソリューションを提案できるのではないかと期待しています。
さらにセールスフォース・ドットコムでは、イクオリティ(平等性)の実現にも積極的に取り組んでいます。深刻な少子化による労働力不足に対する取り組みとして、国や企業が女性の登用や活躍を積極的に推進し、賃金格差をなくしていくことは重要な課題です。セールスフォース・ドットコムでは、男女間に不当な格差がないかを分析し、全ての社員に対して平等な賃金が支給される「Equal Pay(平等な賃金)」を実施しています。
私が会長に就任して約4年の間に社員数は500人弱から1200人超へと倍以上に増加しました。また2017年は、大阪・名古屋・九州・北海道など地方ビジネスへ積極的に投資を行ったことに加え、神戸に設立した国内2番目のデータセンターが稼働を開始し、日本およびアジア太平洋地区のお客さまに提供するインフラストラクチャを拡張するなど、国内ビジネス基盤をさらに確立することができました。
2018年は、日本におけるサービスについてもさらに強化し、皆様のビジネスに貢献させていただく所存です。
お客さまの成功があってこそ、私たちの成功があります。
私たちはコアバリューである「信頼、成長、イノベーション、イクオリティ」の4つの価値を追求し、日本社会のよりよい発展と、国内企業の皆さまのビジネス成功に向けて、引き続き貢献してまいります。