公的部門の最高情報責任者(CIO)は、目標を達成するために必要なテクノロジは、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティ、データアナリティクスだと考えている。
Gartnerが世界の公的部門(国、州や県、基礎自治体、防衛および諜報分野の機関など)のCIO461人を含むCIOを対象として実施した調査によれば、公的部門のCIOの間では、もっとも優先順位が高い取り組みはデジタル変革であり、それにセキュリティとガバナンスが続くという。
Gartnerの調査担当バイスプレジデントRick Howard氏は、「デジタル変革はデータを中心として展開される。公的部門のCIOは、成功のためには、オープンデータとオープンAPIの提供範囲を拡大して組織内外でのデータ利用を促進し、データとアナリティクスに関する能力を強化しつつ、データ中心の文化を生み出すよう取り組む必要がある」と述べている。「データアナリティクスのインフラ構築は、公的部門の事業の成果と市民に対するサービスを改善するために欠かせないものだ」
公的部門におけるデジタル変革の優先順位は、民間部門よりも若干高くなっている。これは、民間部門が成長や市場シェアを重視しているためかもしれない。それに次いで優先順位の高い事項として挙げられているのは、セキュリティ、安全・リスク、そしてガバナンス・コンプライアンス・規制だ。
組織の目標達成にどのテクノロジ投資が重要かという質問に対しては、最上位にクラウド、BI・アナリティクスが挙げられており、インフラ・データセンターが11%でそれに続く(国家のCIOは3番目に顧客関係管理(CRM)を挙げているが、2位との間には数字にかなり差がある)。
提供:Gartner
公的部門のCIOのテクノロジに関する優先順位は、民間部門のCIOとはかなり異なっている。CIO全体で見れば、全分野のトップ10に人工知能(AI)が入っているが、公的部門のCIOで見た場合19位になっている(例外は防衛と諜報の分野で、これらの分野では人工知能の優先順位をより高くしているCIOが多い)。
クラウドサービス・ソリューションとインフラ・データセンターは、どちらも公的部門のCIOのうち30%以上が重視しており、トップ10に入っているが、ほかの業界ではこれらの分野を重視しているCIOは12%にすぎない。一方、デジタル化・デジタルマーケティングを重視している民間部門のCIOは16%いるが、これは公的部門の2倍以上の数字だ。