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セールスフォースは価格交渉に使えるAIをどう作ったか

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-02-06 06:30

 人工知能(AI)が大量に利用されるようになるとすれば、(少なくとも最初は)今ある業務プロセスにAIが溶け込み、人間のノウハウを強化する形をとることになるだろう。そこで重要になるのが、データサイエンスと、多くのプロセスや取引の背景にある人間の技をブレンドすることだ。

 米ZDNetは、Salesforceの価格決定データサイエンス担当シニアマネージャーであるShrestha Basu Mallick博士に話を聞き、同氏が最近取り組んでいる、商談における価格決定の最適化プロジェクトについて語ってもらった。このプロジェクトでは、価格決定を最適化するモデルを生み出すために、Salesforceのテクノロジ(特に「Einstein」)を複数組み合わせている。商談を進める上で価格交渉は避けて通れないため、企業は賢く値引きする方法を学ぶ必要がある。

Shrestha Basu Mallick博士
Shrestha Basu Mallick博士

 この記事では、Mallick氏のプロジェクトと、データサイエンティストがどのように仕事を進めているかについてインタビューした内容を紹介する。

--このプロジェクトの概要を教えてください。

 これは、同僚のDan Boren(価格決定およびパッケージング戦略担当シニアディレクター)と協力して、既存の製品「CPQ」「Einstein Discovery」「Einstein Analytics」を使用して設計した、AIによる価格決定ソリューションを作るというプロジェクトでした。価格の決定は、習得するのに何年もかかる複雑なスキルです。これまで価格は、それぞれの契約に固有のさまざまな要素を加味することなく、量に基づいて決められてきました。この価格決定ソリューションは、能動的な助言と受動的な助言の両方を提供するもので、商談の個別の条件に応じてカスタマイズでき、50以上の要因を考慮に入れています。またマネージャーに対しては、商談の価格決定に関する状況と、どの営業担当者にコーチングが必要かを確認できる業績管理ダッシュボードを提供します。

--価格決定の最適化と適切なタイミングでの値引きについて、難しい点を教えてください。

 価格の決定は驚くほど複雑な科学であり、習得に何年もかかる技能です。考慮に入れる必要がある変数が何百もある上、最近では、商談プロセスにこれまでにないスピード感が必要とされるようになっています。「最善の価格」は、必ずしも最も高い価格ではありません。顧客に得をしたと感じさせながら、ベンダーも十分な利益を得られる適切な価格を見つけることが重要です。

 営業担当者は、常に少なくとも3つの条件を秤にかけています。その3つとは、顧客が獲得する価値に対して感じている満足感、商談を成立させるまでにかかる時間、そして会社にとって適切な価格です。人間には、さまざまな変数を考慮に入れつつ、効果的にこれらの条件のバランスを取ることは困難です。特にこれは、営業のキャリアを始めたばかりの、新人の営業担当者にとっては難しいことです。こういった価格に関する交渉を効果的に支援するツールはほとんどありません。営業マネージャーも、データで得られた知見から、部下の価格交渉の状況を把握するツールは持っていません。多くの営業マネージャーは、大きな商談や助けを求める担当者の支援に終始しており、コーチングが必要な担当者を支援することはできていません。


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