2018年のブロックチェーンと仮想通貨を展望する - (page 2)

Jeremy Wood(カルダノ発行者)

2018-02-10 07:30

 仮想通貨については、2017年に東京金融取引所が、2018年にビットコイン先物取引に向け準備を始めると発表した。これはさらなる前進につながるだろう。そして先物取引市場とオプションの確立により仮想通貨のリスクプロファイルが軽減され、増加を続ける個人投資家に加えて機関投資家も参加できるようになるだろう。

 2018年の大きな問いは決済ネットワークとしての仮想通貨がどこまで台頭できるかということだ。ビックカメラの他にも、リクルートライフスタイルは日本で取引所を運営するコインチェックと提携し、同社のPOSアプリ「モバイル決済 for Airレジ」を使って、リクルートライフスタイルのネットワーク内にある26万以上の店でビットコインが利用できるよう範囲を拡大した。

 これまでビットコインでの決済を受け付けていたのはこのうちごく一部だったが、今年はその数が倍増すると見込まれている。ただし、デジタル決済プラットフォームでの仮想通貨導入は進んでいるものの、単なる運用資産や価値貯蔵手段ではなく通貨としての役割を担うにはまだ時期尚早だろう。

 次回は、最も機微なデータを守るものとしてのブロックチェーンの役割と、マイナンバーのような身分証明ネットワークに取って代わる、より優れた安全なシステムとしての可能性を紹介する予定だ。

Jeremy Wood
Input Output HK (IOHK) 経営戦略責任者兼共同創業者
Input Output HK (IOHK) 経営戦略責任者兼共同創業者。2015 年、CEO であるチャールズ・ホスキンソン⽒(Charles Hoskinson)とともに IOHK を創業し、現在、時価総額トップ 20 にある 2 つの仮想通貨カルダノ (ADA) とイーサリアムクラシック(ETC) を発⾏するに⾄る。なお、IOHK 創設以前の 2014 年までは、イーサリアムプロジェクトの共同創業者として⽇々その運営に携わってきた実績を持つ。IOHK が資⾦提供し東京⼯業⼤学に開設されたリサーチセンターInput Output JP (IOJP)の代表取締役にも就任。暗号通貨における共同研究講座の開講を通じて、ブロックチェーン関連技術の研究と教育を⾏う先駆者としても注⽬されている。ブロックチェーンを持続可能かつスケーラブルなものにするために、IOHK と IOJPで⾏われるリサーチ、分散型組織の将来に強い関⼼と情熱を持っている。特にガバナンスやアイデンティティ・システムといったイシューを、ブロックチェーンがどう改⾰していくかというテーマに⼤きな興味を寄せる。インディアナ⼤学・パデュー⼤学インディアナポリス卒(インディアナ州)、英語学学⼠号を取得。妻と 2 ⼈の⼦どもとともに⼤阪に住み、⼤好物は⼤阪のソウルフードであるたこ焼き。関⻄ビットコインミートアップの⽴ち上げメンバーでもある。

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