コンサルティング現場のカラクリ

IT部門の苦悩(5)--安易に金を使いすぎる

宮本認(ビズオース ) 2018年03月24日 07時30分

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安易に金を使いすぎる

 新しいプロジェクトに何十億というお金をかけることが出きる企業はまだいいのかもしれない。会社としてまだ投資する余裕があるということだろうし、仮に倍のコストがかかっても、倍のスケジュールとなっても、半分は良くなっている。しかし、かけたお金と労力に見合うかどうか、それは疑わしい。経営の立場であれば、他のことに何か投資ができたかもしれない。

 投資は有効に使いたい。何十億かけるプロジェクトだろうが、数百万から数千万の機能追加だろうが変わりはない。小さなお金も、積み重なると非常に大きなお金になっている。結果的には数十億といった大きなお金になっている。それが、あろうことか、効果が全くわからないものが多いのだ。

 機能追加や改修は、予算編成の時、ユーザーとIT部門で攻防がある。制度対応など、必ずやらねばならないものもある。また、従業員全員の入力業務を簡単にするような明らかに改善をしたものや、新たな業績管理指標を見るためにデータの集計を変えなければならないなど、やらねばならないものもある。しかし、世の中の機能改善案件は、必ずしもそういう効果があって、必要なものだけをやるわけではない。

 システム予算の管理の仕方によるが、業績が良く、ある程度予算が自由に使え、余っている時は、この際だからやっておこうと、必要性の低い案件をやってしまう。

 そもそも、効率性という名のもとに改善・保守要員が年間で何をするかは決めずにまとめて契約されることも多い。人がいるのだから、仕事は後付けで詰め込む。

 また、システム、特に事務・基幹系のシステムの利用者は事務職員が多い。ベテランの事務職員などもよくいる。改善要望を上げるのは、若手で2年で異動する総合職が担当する。若手の総合職は、ベテランのご機嫌をとるためにひとまず改善要望を通そうと頑張る。統括するユーザーの部長も、IT部門よりも立場が上であることを誇示するために、IB部門にごり押しする。

 効果は算出されていることが多いが、○○時間で効果算出をする。この効果が曲者だ。ある銀行で、この効果を集計したことがあるのだが、10年間の改善案件の効果をまとめると、150人ほど減った計算になっていた。ちなみに、その銀行の担当部門の要員は250人であり、10年前からは10人ほど、増加していたそうだ。

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