海外コメンタリー

ITリーダーが注目する最新技術--それぞれのニーズと方向性 - (page 2)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-03-22 06:30

 「うまく導入すれば、機械学習は企業の生産性を大きく向上させられる。特に小売業や、変化の激しい消費者向け製品の分野、接客業などでは有効だ。機械学習はタイミングが重要な業界では大きな優位性をもたらす。異なる思考スタイルは新鮮であり、さまざまな恩恵を与えてくれる可能性がある」(Marks氏)

3.人とテクノロジを繋げることで効率を向上させる

 英国の大手百貨店House of FraserのCIO、Julian Burnett氏は、ほかのCIOとは異なる見方を持っている。「奇妙に聞こえるかもしれないが、わたしの見方では、今ITの分野で起こっていることでもっとも面白いのは、サプライチェーンや、物理的な要素とデジタル要素の組み合わせに関する取り組みだ」と同氏は述べている。

 Burnett氏によれば、House of Fraserは、初めての試みとして、物理的な機械を人や技術と組み合わせて、統合されたリアルタイムのプロセスを生み出そうとしているという。同社は、店舗フロアと倉庫の先端技術を組み合わせて利用している。

 同氏は、サプライチェーン自動化を手がけるDematicと進めているプロジェクトを例に挙げた。この取り組みは、複数の言語を使用した音声ピッキング技術の導入方法を検討するものだ。これらの技術は、同社の倉庫で機械を使用して作業する季節労働者を支援するために使われる。Burnett氏は、潜在的な効果は明らかだと述べている。

 「技術を組み合わせることによる可能性の広がりは驚くべきものだ」と同氏は言う。「効果はすでに出始めている。物理とデジタルの組み合わせこそ、小売業の世界で実際にテクノロジの力を生かせる分野だ」

4.先進技術の導入による住民医療の強化

 英国の国立血液サービス(NHSBT)のAaron Powell氏は、同組織で2年間最高デジタル責任者(CDO)の役割を務めてきた。NHSBTでは現在、興味深い試みがいくつか進められているが、これには予測的アナリティクスの利用や、特定の臓器の予想待機期間の算出などが含まれるという。

 「予測できる能力は大きな影響を及ぼすし、高度なイメージング機能もそうだ」と同氏は言う。「臓器提供においては、画像を撮影してそれをインテリジェントな手段で移植チームに送る能力が大きな意味を持っており、特に、移植手術中にどんな状況に備える必要があるかを知るために重要になる」

 Powell氏は、献血の管理はロジスティクス管理のプロセスだと述べている。同氏によれば、機器の利用状況を追跡するセンサを利用できれば効果があるという。ブロックチェーン技術の発展も役に立つ可能性があるが、Powell氏は雰囲気の過大な盛り上がりを警戒している。「ブロックチェーンについても調査したが、現時点では明確な用途は見当たらない」と同氏は言う。

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