量子コンピュータの取り組みを進めているのはIBMだけではない。Microsoft、Googleなどの大手ベンダーやベンチャー企業もある。Sutor氏はIBMの差別化として、1946年からあるIBM Researchを挙げる。「われわれは世界中に3000人の優れた研究者がさまざまな研究を進めている。量子コンピュータでも数十年の研究を重ねてきた」とSutor氏。
「IBMはコンピュータの会社であり、Power SystemsやIBM Zなどのシステムを作っている。量子コンピュータでも本物のシステムを作っている。高度なエンジニアチームと研究チームの組み合わせが可能にしている」とSutor氏。実際、シリコン量子コンピュータの研究で知られる慶應大学の伊藤氏は基調講演で、「量子コンピュータと名乗るものはあっても、制限があるものもある」とも述べた。
IBM Qチームは、IBMの社内にありながら、スタートアップのように動いているという。Krishna氏は「コンピューティングの歴史において、重要な時を迎えている。振り返ったとき、実用的な量子コンピュータの始まりとして記憶されるだろう」と語った。