Adobeは、約2年前から進めているMicrosoftとの戦略的パートナーシップをさらに推し進め、両社の製品の連携を強化するいくつかの新たな施策を発表した。
今回の連携強化策の主眼は、すでに広く利用されているツールで行う書類仕事をさらに効率化し、電子サインを使った決済をスムーズに行えるようにすることだ。まず、AdobeのPDF関連ツールをMicrosoftのツールの中でサービスとして利用できるようになる。
PDFファイルの作成などの機能を、「SharePoint」「OneDrive」「Office 365」の中から利用可能になる。「Word」「Excel」「PowerPoint」のオンライン版では、文書を高品質なAdobeのPDFに変換できるようになる。
またAdobeは、「Adobe Sign」をアップデートし、「Microsoft Dynamics」との連携をさらに充実させた。
同社の電子サインサービスであるAdobe Signは、2017年からOffice 365やDynamics 365で利用できるようになっていたが、今回のアップデートでは、SignがDynamicsのマルチステップワークフローに組み込まれた。Signの顧客が「LinkedIn Sales Navigator」からリアルタイムで顧客情報を引き出せる機能も追加されている。さらにAdobeは、「Microsoft Azure」でもSignをリリースする予定で、ユーザーはAzureのデータセンターにAdobe Signの情報を保管できるようになる。
それに加え、管理者が欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に基づくユーザーからのプライバシー要求に対応できるようにするセルフサービスツールもある。またSignは、公式に「FedRAMP Tailored」の認証も取得したという。これは、製品が米国政府の定める厳格なセキュリティ標準に準拠していることを意味する。
Adobeはまた、発売から1年目の比較的新しいアプリ「Adobe Scan」にも新たな機能を追加し、スマートフォンで撮影した写真を高品質のスキャン文書に変換できるようにした。これによって、Scanで紙の名刺を撮影するだけで、名刺の情報を連絡先情報に追加できるようになる。Adobe Scanには「Adobe Sensei」によるAI機能が使われており、すでに1050万回ダウンロードされているという。
PDFサービスとOffice 365の新しい統合機能は、「Acrobat DC for teams」「Acrobat DC for enterprise」で19日より利用可能になっている。Adobe Sign for Dynamics 365は、Adobe Sign for Enterpriseで利用できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。