IDC Japanは7月9日、国内ソフトウェア市場(パッケージソフトウェア、SaaS、PaaSの売上額)の2017年の実績と2018~2022年の予測を発表した。
これによると、2017年は前年比成長率が5.8%の2兆8579億1400万円となった。また、2018年は同4.6%、2017~2022年の年平均成長率(CAGR)は4.5%で、2022年には3兆5694億9900万円に達すると予測する。3つの大分類市場の実績と予測は以下の通り。
アプリケーション市場
2017年は前年比成長率が6.3%となった。マーケティングアプリケーションの活用拡大とセールスアプリケーションの中堅中小企業への浸透によってCRM(顧客関係管理)アプリケーションが2桁成長を達成。また、企業の働き方改革の実践により、SaaS型のファイル同期/共有ソフトウェアやチームコラボレーティブアプリケーションなど場所やデバイスを問わずに業務を遂行することを支援するコラボレーティブアプリケーション市場も大きく伸びた。
2017~2022年のCAGRは3.8%と予測する。マーケティングや顧客管理においてより一層データ活用が広まり、CRMアプリケーションが引き続き成長する。また、さまざまな業種での人工知能(AI)の活用拡大に伴いコグニティブ/AIソフトウェアプラットフォーム市場が急速に拡大する。
アプリケーション開発/デプロイメント市場
2017年は前年比成長率が6.6%となった。企業のビッグデータに対する取り組みが活性化し、構造化データに加えて非構造化データの管理に対する需要が拡大したことでデータ管理ソフトウェア市場が高い成長となった。さらにデータの分析や可視化への需要が増加し、データアナリティクスソフトウェア市場も高い成長となった。
この成長は今後も継続し、2017~2022年のCAGRは6.9%と予測する。さらに、クラウドサービスの利用拡大に伴い、複数のクラウドサービスやオンプレミスシステムとの連携やプロセスの自動化で必要となるインテグレーション/オーケストレーションミドルウェア市場も高い成長を予測する。
システムインフラストラクチャソフトウェア市場
2017年は前年比成長率が4.8%となった。働き方改革に向けてセキュアなリモートワーク/モバイルワーク環境の構築のために、バーチャルクライアントコンピューティングとモバイルデバイス管理ソフトウェアの導入が増加し、市場の成長をけん引した。
2017~2022年のCAGRは3.9%と予測する。今後はSDN(Software-defined Networks)ソフトウェアとSDS(Software-defined Storage)ソフトウェアの導入が本格化する。それに伴いシステム自動化ソフトウェアに対するニーズの高まりが、システムインフラストラクチャソフトウェア市場の成長を促進させる要因になる。
国内ソフトウェア市場予測:2017年~2022年(出典:IDC Japan)
※2017年は実績値、2018年以降は予測