MicrosoftがWindows 10をリリースしたのは3年前の7月のことだ。
3周年というのは、同社のOEMパートナーや、「Windows」を使用している法人顧客にとって重要な区切りとされていた。というのも、3年は新たなバージョンのWindowsの投入が近いと想起させるものであったためだ。
しかしWindows 10では、このようなスケジュールはもはや重要ではない。Microsoftは3年毎に「大々的な」アップグレードを実施するのではなく、同社の中核製品であるデスクトップOS向けの新機能を順次リリースするようになっており、過去3年の間に合計5つの機能アップデートをリリースしている。
直近のアップデートである「April 2018 Update」は、そのわずか6カ月前にリリースされたアップデートと比べると、それほど大きく進歩しているようには感じられないかもしれない。しかし、2015年7月にリリースされたオリジナルのWindows 10と比べると、その差は歴然だ。
Windows 10がこれまでに遂げた進歩は、かつてのメジャーアップグレードで実現されていた進歩に匹敵する。また、さらに驚嘆すべきは、この3年間での新機能の進歩のなかで、顧客からのフィードバックがリアルタイムで生かされてきているという点だ。
そのユーザーエクスペリエンスを例に取ると、2018年半ば時点でのWindows 10は、それまでの3年間をずっと寝て過ごしていたという人でも使えるものになっている一方で、よく見ると使い勝手の面でさまざまな改良が重ねられていると分かるはずだ。
従来の「コントロールパネル」から、新しく近代的な「設定」アプリへの転身は、「Fluent Design System」がもたらしたグラフィック面での変更を考慮すると特に目を見張るものがある。
Microsoftの設計者らは通知ペインの手直しや微調整を絶え間なく続けてきている。現在取り組んでいる最大の変更は、ともすれば邪魔者扱いされる通知をグループ化し、効率的に管理できるようにする機能の実現だ。スマートフォンとWindows 10の連携能力と「Cortana」の力を活用することで、ユーザーエクスペリエンスは驚くほど素晴らしいものとなる。
また、「タイムライン」のようなまったく新しい機能もある(その提供は2017年に予定されていたが、実際には2018年となった)。これは、Windowsキー+タブキーを用いる従来のショートカットの使い方を一変させる力を持っている機能だ。
筆者はWindows 10が1周年と2周年を迎えた際にそれぞれ評価記事を執筆している。3周年が近づくなか、また評価記事を執筆する時が来た。今回の記事でも、過去2回と同じカテゴリ(1つだけ例外がある)に基づいて評価している。