IBMは「Watson(ワトソン)」、SAPは「Leonardo(レオナルド)」、Salesforce.comは「Einstein(アインシュタイン)」――。さてOracleは、これらに対抗するAIのブランドを打ち出すか。
自律型クラウドプラットフォームサービスを展開
会見に臨む日本オラクルの佐藤裕之クラウドプラットフォーム戦略統括ビジネス推進本部長
「Oracle Autonomous Cloud Platform上の各種サービスがここにきてそろいつつある」――。日本オラクルの佐藤裕之 クラウドプラットフォーム戦略統括ビジネス推進本部長は、同社が先頃開いた最新クラウドプラットフォームサービスに関する記者説明会でこう胸を張った。
その最新クラウドプラットフォームというのが、従来の「Oracle Cloud Platform」に機械学習など人工知能(AI)による自律機能を搭載した「Oracle Autonomous Cloud Platform」である。その第1弾サービスとして米Oracleが2018年3月に提供を始めたのが「Autonomous Database Cloud」。すなわち、オラクルの主力製品である「Oracle Database」に「Autonomous」(自律型)機能を持たせて「Cloud」にしたものだ。
これについては、Oracleが2017年10月に自社イベントで発表した際、同社の創業者であるLally Ellison 会長兼最高技術責任者(CTO)が「AIを活用した世界初の自律型ミッションクリティカル・データベース」であることを強調したのが印象的だった。
佐藤氏は今回の会見で、Autonomous Cloud Platformの特徴について、全ての管理・拡張・監視・チューニングの自動化を行う「自己管理」(Self-Managing)、外部からの攻撃や悪意のある内部ユーザーからの防御を行う「自己保護」(Self-Securing)、計画停止を含む全てのダウンタイムからの保護を行う「自己修復」(Self-Repairing)といった3つを挙げた。それぞれのユーザーメリットとしては、自己管理がコスト低減と生産性向上、自己保護がリスク低減、自己修復が高い可用性への貢献だとしている。
さらに詳しい会見の内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは「OracleのAI」という観点で、その内容を探っていきたい。