業務ソフトウェアの担当者や、自分の部署でソフトウェアを使っている管理職であれば、ソフトウェアにはカスタマイズが必要であり、従来のソフトウェア開発のやり方ではニーズを満たしきれないことを知っているはずだ。従来の開発手法は時間がかかりすぎる上に、開発に必要な人材も不足している。これは特に新しい話ではないが、デジタル変革の必要性が高まっていることで、問題が切迫してきている。
そんな中、アプリの提供にかかる時間を短縮することで、企業のデジタル変革を支えるものとして注目を集め始めているのがローコード開発プラットフォームだ。ローコード開発プラットフォームには、ソフトウェア開発のスピードを最大で従来の10倍にできる可能性があるようだ。
ローコード開発プラットフォームでは、従来のプログラミング言語による開発ではなく、視覚的な宣言型のプログラミング手法を用いる。また開発者でも、そうでない人でも利用でき、必要なトレーニングも少なくて済む。それらのプラットフォームには、再利用可能なコンポーネントやドラッグアンドドロップによる開発ツールの存在、プロセスモデリングを使用することなどの共通点がある。ローコード開発を利用すれば、個人や小規模なチームが、数日から数週間でアプリの実験を行い、プロトタイプを作り、リリースすることができる。
拡大するローコード開発市場
ローコード開発プラットフォームの導入は急速に進んでおり、数十のベンダーがひしめき合うこの市場は、約50%の年間成長率で拡大している。現在、この市場の全体としての規模は約40億ドルになっている。
ローコードが利用される分野も広がっている。スタンドアロンのプラットフォームだけでなく、特定の分野に特化した、目的を絞って作られたローコード開発ソリューションが登場しており、対象となる分野も、SaaS、eコマース、モバイル、BI、ITサービスマネジメントなど多岐に渡る。いちいちIT部門に依頼して対応を待たなくても、ビジネスユーザーやシチズンデベロッパーが自分でコマースツールやBIツールを簡単にカスタマイズできれば、どれだけ機動的に動けるようになるか考えてみてほしい。
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