ワークデイは10月23日、「Workday Skills Cloud」の提供を開始した。同サービスは、組織に所属する従業員一人ひとりのスキルデータのクレンジング、理解、関係付けを支援するもので、さまざまな企業・組織で使用されているスキルに関するデータを大量に収集し、機械学習によって体系的にまとめる「オントロジー」の役割を担う。同社のヒューマンキャピタルマネジメント(HCM)の基盤フレームワーク上に構築され、サービスの1つとして提供される。
同サービスは、機械学習を活用しながら、関連するスキルを認識、識別して新たなスキルを組織に取り込むことで、継続的に学習を重ねる。同一スキルには最大20以上の類義語があるが、これを集約し、スキル間の関係を解明する。例えば看護師の場合、「患者管理」というスキルは「応急処置」や「臨床検査」スキルにも関連することが「Skills Cloud」上で示される。
ワークデイは、「Skills Cloud」の機械学習機能を通じて、自社の専有データやユーザー企業の提供するデータ、米国の連邦政府や州政府が提供する「O*NET情報」からの追加のシードデータなどをマッチングさせ、ユーザーが入力した100万件のスキルを、管理可能な5万5000件の検証済みスキルにまで削減した。加えて、3100万人に相当する顧客コミュニティーから2億件のスキルへのアクセスなどを数百の系統に絞り込んだ。
ユーザーは利用開始後、ワークデイが管理するスキルのオントロジーに、即座にアクセス可能になる。そのためスキル管理に時間を費やす必要がなくなる。また、各人がシステムに入力した内容をもとに特定のスキルを提案してくれるため、プロフィールの拡充も容易に実行できる。なお、ユーザーが送信したデータは身元を識別できない形式に変換され、セキュアな集約型のデータセットに追加される。
例えば、採用マネジャーが「ウェブデザイン」の能力を持つ候補者を探している場合、「グラフィックデザイン」や「ウェブ開発」、「フラッシュデザイン」のスキルを持つ候補者も提示する。また従業員のスキルアップを支援することも可能で、例えば、パブリック・スピーキングのスキルを身に付けたい従業員に演説やプレゼンテーションに関する学習コンテンツを見つけ、能力をさらに高めるように支援するといったこともできる。さらに、契約または外部の人材を欠員部分に充てたい場合、外部企業で該当するサービスを提供した経験のある人材を複数の候補者として提示することも可能だ。