順調な立ち上がりを見せたAMD EPYC
AMDが再度サーバ市場に投入した「EPYC」プロセッサは、コンシューマー向けの「Ryzen」プロセッサのコストパフォーマンスの高さといったある程度の評価を得て、クラウド事業者、大学や研究所などのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)用途を中心にして、採用が始まっている。
現在のサーバは大きな変換点に差し掛かっている。ハイパーバイザを使った仮想化からコンテナを使った仮想化へと変化し、クラウド利用も企業では当たり前になっている
EPYCは初年度で多くのサーバベンダーが採用製品をリリースし、ネットワークやストレージおよびメモリ、GPUやFPGAのベンダーからも賛同を得ている
今回は、同社でEPYCを担当するScott Aylor氏との懇談での取材をベースに、2018年現在のEPYCの状況や将来性などを解説していく。
まずEPYCの最大の特徴は、Ryzenで採用されたZenコアの高いパフォーマンスとマルチダイを採用していることにある。Zenコアに関しては、Ryzenの発表からすぐに、コンシューマー向けPCでのマーケットシェアが非常に小さくなっていた同社のシェアを一気に回復させる結果になった。また大手のPCメーカーでは、Ryzenがリリースされる前は、ほとんどがIntelプロセッサだけだった。しかし、Ryzenのリリース後は、デスクトップPCだけでなくノートPCにおいても(GPU内蔵のRyzenがリリースされた結果)、Ryzenを採用する製品がリリースされてきている。