ヴイエムウェアは、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)を活用した自動化サービスに関するアンケート調査の結果を発表した。この調査では日本と英国、ドイツで同様に実施され、その比較から日本人はAI・IoTを活用した自動運転、医療サービスや金融サービスなどの利用に前向き・寛容であることが分かった。
日本での調査は20〜70歳の経営者や役員522人を対象に、インターネット経由で6月27~29日に実施された。英国では18歳以上の成人2003人、ドイツでは同1004人が対象で、調査時期は英国が2017年5月、ドイツが2017年6月となっている。
日本での調査では、回答者が興味を持っている自動化サービスは「医療・福祉」がトップで「自動車」「金融サービス」「小売」の順となった。
自動車(自動運転)については、「完全自動運転車を利用したいですか」との設問に対して、「利用したい(利用したい、おそらく利用する)」が51%と過半を超え、英国の48%、ドイツの40%を上回った。利用したい理由は、「安全性の強化」(63.4%)、「交通渋滞や長距離運転に伴う疲労の軽減」(58.2%)、「自動運転による移動時の自由時間の確保」(48.9%)が上位を占めた。利用したくない理由の上位は、「事故への恐怖」(55.9%)、「無人運転車への不信」(53.1%)、「自分自身での運転の楽しさが重要」(33.1%)となり、「ハッカー攻撃の恐怖」は25.2%だった。また、完全自動運転車を所有したとして、「お子さんの学校への送迎手段として自動運転車を信用できますか」との設問に対しては、「信用できる(問題なく信用できる、おそらく信用できる)」が過半を超え(50.8%)、英国の22%、ドイツの14%を上回った。
また、「AIにより今まで以上に良い医療サービスを受けられると思いますか」との問いに対して、「同意(強く同意、やや同意)」が54%と過半を超え、自動運転と同様に、ドイツの47%、英国の34%を上回った。AIが医療や介護でもたらす影響としては「より正確な診断」(37.0%)、「待ち時間の軽減」(31.2%)、「迅速な診断」(29.3%)に続いて、「医療情報システム(人間以外)に対する信頼性の向上」(27.0%)、「医療・福祉従事者(人間)に対する信頼性の向上」(23.6%)となった。
金融サービス(AIの利用)では、「AIの活用がメリット、あるいはデメリットになると感じられる事柄は何ですか」との問いに対して、「銀行での待ち時間の短縮」(54.8%)、「金融情報の処理と管理の正確性の向上」(26.2%)、「銀行店舗への訪問や行員とのやりとりの不要化」(22.2%)などメリットを挙げる回答が上位になった。一方、英国、ドイツでは、「行員とのやりとりの低減に伴う顧客サービスの劣化」や「金融情報漏えいのリスク上昇」など、AI活用によるデメリットを挙げる回答が目立った。
さらに、IoTに対する期待について「今後、IoTが日本経済のけん引、経済成長に貢献すると思いますか」との質問を行ったところ、「貢献する(必ず貢献する、貢献する)」が58.6%となった。また、医療・福祉、自動車、金融サービス、小売の4業種のうちで、日本が他国をリードできる業種について質問したところ「自動車」(42.1%)、「医療・福祉」(34.3%)、「小売」(15.7%)、「金融サービス」(10.9%)という結果になった。
「日本でのIoTの普及で一番重要な要素技術は」との質問では、「AI」(61.1%)、「セキュリティ」(47.1%)、「センサー、カメラ」(22.8%)、「クラウド」(19.2%)、「デバイス」(18.6%)、「通信」(18.2%)と、AIとセキュリティが二大関心事であることが分かった。