Amazonは新たに、あらゆる開発者が利用できる機械学習に関する教育コースを無償提供すると発表した。この教育コースのカリキュラムは、同社が社内でソフトウェアエンジニアやデータサイエンティストの教育に使っているものと同じだという。
Amazonは過去20年間、社内で機械学習を利用してきた。Amazonで使われてきた動画や実習教材、文書などを含む30種類のオンライン機械学習教育コースを公開する。
コースは開発者向け、データサイエンティスト向け、データプラットフォームエンジニア向け、ビジネスリーダー向けの4つに分かれている。
例えば開発者向けには、機械学習の基本コンポーネント、機械学習アプリケーションの作り方、コンピュータビジョンなどについて教えるコースが用意されている。
また、ビジネスリーダー向けのコースには、人工知能(AI)や機械学習、深層学習などの技術に関する基礎的なことを学習するコースや、Amazon Web Services(AWS)の機械学習サービスについて学習するコース、AWSの機械学習サービスを利用してモデルを構築したり、アプリケーションにインテリジェンス機能を追加する方法について学ぶコースなどがある。
これらのコースは、新たに設けられたAWSの「Training and Certification Machine Learning」(トレーニングおよび認定機械学習)サービスの一部として提供されるものだ。新しい機械学習の「AWS認定」では、認定試験によって十分な機械学習の知識を備えていることを確認する。試験では、例えば特定のビジネス課題にはどのようなアプローチが最適か、特定の機械学習アプリケーションにはどのAWSサービスを利用すべきかといった知識が問われる。
基本を学び終えた履修者は、現実の課題例や演習問題を通じて、さまざまな知見を得ることになる。例えば、Amazonがどのようにギフトラッピングの適用可能性の予測や、配送経路の最適化、IMDbのデータを使用したエンターテインメント関連の賞のノミネート予想などの問題に取り組んだかについて学ぶことができるという。
AWSの人工知能担当ゼネラルマネージャーMatt Wood博士は、「コースの内容は、ベストプラクティスについてまとめ、『Amazon SageMaker』『AWS DeepLens』『Amazon Rekognition』『Amazon Lex』『Amazon Polly』『Amazon Comprehend』など、AWSのさまざまな機械学習サービスをどのように始めればよいのか、を実際に示すものになっている」と述べている。
機械学習分野の認定試験は現在ベータ版として提供されており、受験費用が通常価格の300ドル(約3万4000円)から半額の150ドル(約1万7000円)に割引されている。
Microsoftも2018年、「Professional Program」として新たに人工知能(AI)の教育コースをスタートさせている。このコースでは、Python、数学/統計、倫理、データ分析、「Azure Machine Learning」、コンピュータビジョン、自然言語処理、音声認識などを扱っている。
このコースを終了した履修者は、AIに関する「Microsoft Professional Program Certificate」を得ることができる。
Microsoftは英国でも10月に、AIに関する新たな教育コースを発表している。この取り組みには、学術界から民間部門にAI関連の優秀な人材が過剰に流出している問題に対応する狙いがあるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。