General Electric(GE)は米国時間12月13日、同社の「Predix」プラットフォームなどのソフトウェアポートフォリオで構成する、産業用IoT(IIoT)の新会社を立ち上げると発表した。またGEは、フィールドサービス管理ソフトウェアを提供するServiceMaxの株式の大半をSilver Lakeに売却することを明らかにした。
こうした動きの背景には、GEが負債を抱え、GE Powerなどのさまざまな事業部門の成長が停滞していることがある。
GEは声明で、新設する産業用IoTの会社は売上高が約12億ドル(約1300億円)になる見通しで、世界的な顧客基盤を対象に業務を行うと述べた。GE傘下となるが、独自のブランド、アイデンティティ、資本構成を持つことになる。
新会社のポートフォリオには、Predixのほか、「Asset Performance Management」「Historian」「Automation」「Manufacturing Execution Systems」「Operations Performance Management」「GE Power Digital」、そして「Grid Software Solutions」が含まれる。
GEのIoTに向けた取り組みで一番の課題は、開発者の確保と、既存顧客からより多くの売り上げを獲得することになるだろう。Eclipse Foundationが開発者を対象に実施した調査によると、IoT開発者が好むクラウドプラットフォームとしては、「Amazon Web Services(AWS)」と「Microsoft Azure」が圧倒的に優位だった。GEのPredixは最下位に近い結果となっていた。
またIoTソフトウェアでも、C3 IoTのような企業が実稼働環境で健闘している。産業向けの予測分析SaaSプラットフォームなどを手がけるUptakeも、GEのソフトウェアと競合する製品を開発している。他のテクノロジ企業が産業用IoT市場のメリットを得ているが、産業用IoTはGEのマーケティングによって普及した部分が大きいという点は注目すべきかもしれない。
GEはほかにも、技術関連の主要幹部を失っている。例えば、GEの最初の最高デジタル責任者だったGanesh Bell氏は、2月にUptakeのプレジデントに指名された。さらに、GE Digitalの最高経営責任者(CEO)であるBill Ruh氏も退任する。つまり、GEは新しい産業用IoT企業のために、新たなCEOが必要になる。GEは新会社のCEOを社内外から探すとしている。