米スーパーマーケットチェーン大手のKrogerは2017年11月、クラウドへの投資をMicrosoftとGoogleの2社に分けると発表した。Krogerによるとその理由の1つには少なくとも、小売分野で競合するAmazonの売り上げ増加に貢献したくないというものがあったという。
MicrosoftとKrogerは米国時間1月7日、デジタル小売戦略における「Microsoft Azure」に関する部分についての詳細を発表した。KrogerはAzureをベースにRaaS(サービスとしての小売)サービスを構築し、Azureの持つ人工知能(AI)テクノロジを活用していくという。また両社は、このソリューションに基づくKrogerの商用RaaS製品を他の小売業者に協力して売り込んでいくという。
店舗や、スマートシェルフの近く、Krogerのアプリケーションで生成されたデータはAzure上で格納、あるいは処理されることになる。この新たなRaaS製品は、Krogerの「EDGE(Enhanced Display for Grocery Environment)Shelf」を活用するものになる。EDGE Shelfはデジタルディスプレイによって価格や宣伝、栄養価などに関する情報を表示するスマート商品棚だ。またEDGE ShelfはKrogerの「Scan, Bag, Go」システムと接続する。
MicrosoftとKrogerはこの新たなRaaS製品を「小売店によって生み出された、小売店のためのイネーブルメントソフトウェア」と呼んでいる。Krogerが今後提供するものには、Scan, Bag, Goや「Virtual Store Manager」、センサネットワークのほか、POSや在庫管理、値札管理、販売促進といった企業システムへのコネクタが含まれている。その第一弾として、ニューヨークで1月13日から開催される「NRF 2019 Retail's Big Show」のMicrosoftブースでEDGE Shelfが披露される予定だ。
MicrosoftとKrogerがBloombergに語ったところによると、両社は過去18カ月にわたって力を合わせてきており、その成果であるデジタル商品棚システムは、Krogerが2700店以上抱えているスーパーマーケットのうちの92店舗で稼働しているという。
Microsoftの狙いは、Amazonを脅威として捉えている小売業者にAzureプラットフォームを売り込むことで、その普及を進めるというものだ。なお、Microsoftは2018年11月にWalmartとのパートナーシップを拡大している。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。